アリアの能力
二人は手を繋ぎ新たなる街を歩き街並みを眺めている
「ふーん?人はたくさんいるわね?けど……」
ちらっと自分達の周りに視線を映す
なんだかジロジロとあまりよろしくない視線を感じる
……仕方ない さっさと目的の場所に行きましょう
「燐ー!花がたくさある場所にいきま…」
「お嬢さん方 良ければお茶でもいかがですか?」
となりにいる燐に話していたら横から割って入るように男がやってくる
胡散くさい笑みに 目が信用できないわね……
「結構よ 私達用事あるから」
「…すみません 見知らぬ方とお茶はちょっと…」
片方はバッサリ切り捨て 男をシッシッどっか行けとでもいう風に手を振る
片方は申し訳なさそうに眉を下げすみませんとやんわりと断る
「そ……そんな事おっしゃらずに……!!
ほら!そちらの女性だけでも!!」
諦めが悪いのか ズイズイと前に来ると燐の腕を掴み引っ張ろうとする
「は…離してください…!!ってあれ…??」
腕を掴まれ男性の目を見ると どこからともなく声が聞こえてくる
『奴隷商人に売ったら高値がつきそうだな!!
片方の片目を隠している方は押しに弱さそうだし
隣の女もまぁまぁ綺麗な見た目しているが スタイルはこっちだな!!グヘヘ!!』
男の本音が燐だけに聞こえてくる
笑顔の裏の醜い醜い本音が
「奴隷商人…??売る…?」
抵抗しながら男を見て首をかしげる
男はギョっとした顔をし燐が言った言葉に冷や汗をかきはじめる
『なぜバレた!?まさか…!!』
「へー…??なるほど??貴方まさか私達を売ろうっと考えたわけ??…生憎様 一般人ではないのよ??……さぁ その手を離しなさい?痛い目見るわよ……」
男の腕をガッと掴み力を入れ冷たく睨む
殺気が彼女から微かに滲み出ている
「お…お前ら…!!〝能力持ち〟か!!
女だからってその口の利き方…!!一回躾けないとわからないみたいだな!?
ペチャパイ黒とボイン!!」
パチンと指を鳴らし 後ろに控えさせていた人達を呼びながらアリアと燐を見た目で呼ぶ
…それが一人には逆鱗に触れると言うのに
アリアからの殺気がペチャパイ黒と呼ばれ殺気が先ほどより強まり
「誰が……ペチャパイよ!?!?
躾け!?てめーらだろうが!!ギタンギタンにしてあげるわ!まとめてかかってきなさい!燐下がってなさい!!」
睨みつけ叫びながら燐を安全な場所へと下がらせ首につけているチョーカーの宝石をカチと押すといつものゴスロリの服装に戻る
「戦闘服って奴だろ 少し見た目がいいからって調子乗んなよ!!動けないようにして 可愛がってやるよ!ペチャパイちゃん!お前らかかれ!!」
一斉にアリアに向かって5〜6人の男が醜い卑しい笑みを浮かべ武器を持ったまま駆け寄ってくる
アリアはただその男達を鼻で笑いバッと手を掲げ
【闇の裁きよ 我に力を与えよ ダーク・スピア】
呪文を言うかの様に言うと片目が淡く光り
足元に真っ黒な空間が出てきてそこから禍々しい手みたいな物が生えてくる
それと同時に黒薔薇と白薔薇が所々に咲きステンドガラスの様な装飾をされた槍を手にする
槍を構えなおし ニタァと笑い男達の方に槍を向け
【ダーク・クラッシュ】
叫ぶ様に言うと彼女の真上に闇の矢が何千本もでき男達に一斉に攻撃をする
「…!?まさか…!闇の能力者!!痛ダダダァァァァ!?!?」
男達は避ける様に身を守るかのように自分の武器で矢を破壊しようとするが数が多い為身体中に傷ができていく
そんな男達を楽しそうに見ながら
「足元注意しないと…喰われるわよ?」
ポツリと言う すると3人ほどアリアの足元から出てきた闇の手に捕まり引きずり込まれていく
「ぎゃあァァァ!?!?お…お頭!!助けて…!死にたくない!死にたくない!!」
引きずり込まれていく3人は仲間やリーダに必死に助けを求めるが虚しく空間へと消えてゆく
「お前らー!!おい!あの三人をどこに連れて行きやがった!?」
アリアに問い詰める様に距離を開けたまま睨む
「さぁ??闇ってさ 底沼の様なものですよね??
奈落の底にでも落ちたのでは?」
槍を残りの男性に向け 冷たい笑みを浮かべ
「チェック・メイトですよ 降参しなさい?」
圧倒的な力の差を見せ…いや一部はあることに腹を立て男達を次々と倒していった