記憶の海
穴の中に入り二人が目にした光景は
星が沢山雨みたいに降り海へ一つずつ落ちていき
星が落ちるたびに海は淡くひかりとても幻想的な
空間が広がっている
「幻と言われていたお伽話の様な噂は本当だったのね……」
目の前に広がる光景にただただ驚きながら
「だな…っとアリア これからどうやってお嬢さんの記憶を見るんだ??」
光景を見るアリアの横に立ち星が人々の記憶とは聞いていたがこの中から燐だけの記憶を探すのは不可能ではないのか首を傾げる
「あぁ…大丈夫…私が
〝燐の記憶を封じた本人〟だから…だけど私も知らない記憶も眠っているみたい……」
そこまで言うとザブザブと海の中に服を着たまま入っていく
「…!?アリア!?そのまま海に入るのか!?」
一瞬記憶を封じた本人と聞き目を見開いたが次のアリアの行動に驚き慌てて跡を追う
海の中に入ったというのに体はどこも濡れておらず冷たさだけが身体に伝わってくる
「大丈夫よ 悠人 さぁ 手を……」
クスクス笑いながら悠人の方に向かって手を差し伸べる
「あぁ…??」
軽く返事をしアリアの手を握りしめる
すると…………
───貴方の見たい記憶はなーに…??───
どこからともなく声がする
綺麗な女性が歌う様にアリア達に問いかける
「私達が見たい…記憶は…葛城燐の過去…元から封印されている記憶は知らなくていい…ただ過去を知りたいの」
──わかったわ 行ってらっしゃい…♪───
アリアが問いかけに答えるとすぐに返答は返ってきて二人の足元が突如なくなり海の底へと沈んで行く
「「!?!?え 息できる・できるのか!?」」
沈みながら二人は同時にいう
確認する様に息が出来普通に話せる事に安堵し
手を繋いだまま更に更に沈んでいく
どのぐらい沈んだかわからないほど沈むと海の底に淡い光が見えて来る
二人は目配せをし頷くと淡い光の方へと更に沈む
淡い光の元にたどり着くと薄水色の星が柔らかな光と共に幼い少女が眠っている
眠る少女をよく見ると薄水色の髪を二つ結びをしており身体中は傷だらけで白いワンピースを着て手足には足枷 手枷が付いている
「………燐……この子は幼い頃の…燐……」
すぐに少女の側に近寄り泣きそうな顔をしながら頭を優しく撫で抱きしめる
「……酷い有様…じゃないか…なんで……」
国の姫さまと話は聞いていた だけど目にする少女は守られている姫さまに見えなかった
むしろ…守られずに愛されていない悲劇の姫さま……
アリアに抱きしめられた少女はゆっくりと目を開け二人に向かって言う
「…私は…要らない子でしたか…?ただ…一度でも…いいから…………」
そこまで言うと淡くひかり始め光は増し目が開けられないほどになる
「っ!!悠人!記憶が開く!!ちゃんと見なさいよ!!」
「…っ…わかっている!!」
少女を含めた三人は光に包まれて行く
いっときすると…記憶は弱まり静かな海へと変わる
泡に守られる様に三人は眠る
記憶の海で見る葛城燐の過去とは…
少女は言う 〝ただ一度でいいから 愛されたかった
自分を見て欲しかった〟……
次回ー!燐の過去編!!第2章行きます!ということは?はい!長いです!!