物語の始まり
ー物語の始まりー
始まりは突然だった
願いや奇跡が起きない事を全て神のせいにし
人間や他種族は戦争を起こした
そんな中 神を守る為1人の女神は捨て身で庇い
魂も姿も跡形もなく消えようとしていたが
涙を浮かべながら笑みを浮かべ
『貴方を…守れて良かった……約束…永遠の誓いをしましょう…また…生まれ変わったら…貴方を見つけるから……アイビ………愛しているわ ずっと………幸せに…生きて…』
消えかける手で俺の小指と自分の小指を絡ませ
『約束…だよ……』
これが彼女が俺に残した言葉だった
指切り 「縁結びのおまじない」
〝一度離れてもしまってもいつかまた会えますように〟
深愛の女神シオンとかつては守護神だったアイビは〝永遠の誓い〟をした
シオンがいない世界は色が消えたかのように真っ暗で冷たい世界で長いことずっとずっと女神と約束した神様は一人待ち続け
やがて何百年 何千年と時は過ぎていき
〝シオンとよく似た魂を持つ少女を見つけた〟
だけど…その少女は……ある出来事により死んでしまい……少女の側にいた女神に一つの感情と力を分け与え……〝世界を変えた〟
そこからあの悲惨な世界を結末を作り出してしまった
本当は幸せな物語だった世界は毒に病みに侵されていく 1人ずつ1人ずつ感情が壊れていく
やがて 歪な愛や感情や想いは色んな人を巻き込むかのように複雑に絡みに絡んでいき……
〝絶望の結末を繰り返す世界〟が出来上がってしまった
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場所は変わりある真っ暗な空間でシオンの花のイヤリングが印象的な男性が立っておりポツリと小さく呟く
「8149万回目の…輪廻転生が終わりを迎えるな…また絶望…〝あの子〟は助からなかったか」
全てを見透かす神の目で今の状況を見て濁った青い瞳に戻し顔を伏せる
また世界は変わっていく
──いつになったら 俺は……シオンに会えるのだろうか そしてあの子も幸せになるのだろうか ……やはり感情を持つ者達は醜いな──
吐き捨てるように言い顔を伏せたまま目を閉じ世界が変わるのを待ち始めた