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冬の終わり

作者: 短編書くのが一番楽しい

今年の冬は暖かいなぁ。そんなどうでもいいことを考えながら、学校からの帰り道を帰っていた。


私は、友達がいない。小説の主人公とかなんかみたいに友達が欲しくないとか言うわけでもなく、普通にひとりぼっちだ。学校についても私に話しかけてくる人なんて誰一人生徒にはいない。正直言って寂しい。でも、私は誰かに頼ることも出来ない。そんなに自分のことを表現するのが得意じゃ無いから。


俺は、最近なんだか気になる奴がいる。友達には、そんなこと知られたくないからバレないようにチラチラ見ている。そいつは、いっつも一人で読書している。そのせいで、なんだか話しづらい。けど、なんでか俺は気になって仕方がない。別にたまたま見えた顔が可愛くて、一目惚れしたとかそういうわけではない。そういうわけではないのだ。


今日も誰にも話しかけられない。きっと、私はこのクラスの中では空気みたいな存在なんだろう。本を広げながらそう思う。本は好きだ。なぜなら、私では絶対出来ないようなことを、物語の主人公がしていて憧れるとともに、読んでいると自分がその物語の主人公になったみたいに感じられるから。


今日こそ話しかけよう。ここ1カ月、ずっと同じことを学校に来て決意している。けど、全く話したことのない女子に話しかけるのが恥ずかしくて出来ない。それに、あいつの席が俺の席から離れすぎてて話しかけたら、絶対友達にバレる。帰りは、部活のせいで会わないから話しかけれない。何かきっかけないかな、、、


今日も同じ一日。何も変わらない。


「あの、その、それ持つの手伝うよ」

「えっ、あ、ありがとう」

「生物準備室までだよね」

「う、うん」


なんだか、世界が輝いて見えた気がした。まるで、冬が終わって日の光を受けて氷が溶けていくように。

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