017 VS玉木商業 その1
※申し訳ありません。もしかしたらせっかくいただいたレビューを消してしまったかもしれません。
大変申し訳ございませんでした。
鶴留高校との一戦から1時間もたたないうちに次試合だ。
先週と違って体に疲労というか重さのようなものが残ってる。
これ、俺のせいか・・・・・・
インターハイ県予選4回戦
松原女子高校 VS 玉木商業高校 試合開始
ピッーーーー!!
「「「「「「よろしくお願いします!!」」」」」」
エンドラインに整列した俺達は試合開始の合図と共にネットに駆け寄り相手選手と握手する。
向こうは登録選手数の上限14人なのに対しこちらは8人なので、必然的に複数人と握手することとなる。
ちなみに14人の内訳は大会パンフレットによると3年生6人、2年生7人、1年生1人。彩ねえは1年唯一のユニフォーム組だ。
でもさっきの試合を見る限りレギュラーではない。まあ、あんな巧みの極みみたいなコンビネーションプレイを入部2ヶ月でやられたらたまらない。
おそらく180cm近い長身を活かしたワンポイントブロッカーなのだろう。
それでもこの場に立っているのはすごい。現に観客席で何人か玉木商業女子バレー部のジャージを着ている女の子がいるので、あちらには試合に出る前に選手登録を勝ち抜く必要があるのだ。
で、その彩ねえが俺の前に来た。どうやら握手にあぶれたようだ。
「優莉ちゃん。ひどいよ。バレーボールやるならうちに来てくれればいいのに」
「え~だって玉木商業遠いじゃん」
家から玉木商業までは電車とバスを乗り継いで1時間半はかかる。松女なら自転車で10分あればおつりがくる。
それ以前に商業高校はなあ……
俺一応、4年制大学を進路先に選ぶつもりだし。
「それにしても優莉ちゃんすごいね。さっきの試合、横からちょっと見てた。まるで男子のスパイクに男子のサーブだったよ」
「あはは・・・」
「私、補欠だからこの試合多分出ないけど―――」
「私達は強いから」
?それはどういう意味だ?
・
・
・
ピッーーーー!!
試合は向こうからのサーブ。最初は威力は大したことないが……
っ!!
俺のちょっと前にボールが落ちる!
慌ててレシーブをしようとするが、ミス。
腕に当たったボールは斜めの方向飛んでいき、非常にしょっぱいミスで0-1
相手からの2本目のサーブ。
ってこれも山なりだけどレフトのネット寄り!もっと言えば俺の前!
くっ!ここも俺が――――
「優莉!下がって!私が取る!」
唯先輩が私に手で静止を命じ、自らオーバーハンドトスでセッターへ。
そう、サーブ自体は大したことないのだが……
「優ちゃん!」
唯先輩からのAパスを陽菜がレフトへのオープントスへつなげてくれた。
先ほどの失態、スパイクで返してやる!
キュッキュッダン!!
俺は1m以上高く飛ぶが……
!!!!
俺がスパイクをしようとした方向には相手チームの選手がいた。
今までもスパイクをしようと思った方向に選手がいたことがあったが、密度が違う。
俺が狙える全ての位置を的確に把握しているとしか思えない。
だが打つしかない!スパイクを打てるタイミングは1秒もないのだ。
バン!
スパイクしたボールはいつもとは違う小さな音を立て再び高く上がった。
この日、俺はバレー部に入って初めて公式戦でスパイクをまともにレシーブされた……
※調べたらインターハイは選手を14人登録できたんですね。てっきり春高と同じく12人かと思ってました。(正確には春高は18人選手登録、1試合に出れるのはそのうちの12人)
なぜレシーブされたのか。その答えは次回解説
(超常現象の類ではありません)