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嘘をついている

作者: 河傍たれす

嘘をついている。


気づかないように、気づいてしまわないように。


病理に蝕まれたように走り続ける。

二重規範を終始一貫。

自分らしさで二律背反。


いつの間にかここから抜け出して去っていったあの人の陰口に曖昧な返事を返しながら。

ノケモノにならないために僕も嘘をつかなきゃ。


何と言おうと嘘をつかなきゃ。

心の中に降り積もった嘘の数々を踏み固めて出来た道が、今までの自分そのものだったことを忘れたままでも歩きつづけることが出来るなら。


本当はそんなこと微塵も思ってないくせに。


溺れそうになるくらいの嘘をつかなきゃ。

世の中うまくいくことばかりじゃないけど、それでも歯を食いしばって苦しい思いをしなきゃいけないから。


本当はそんなこと微塵もやりたくないのに。


何のためにやってきたのかわからなくなるくらいに嘘をつかなきゃ。

みんながそうでなければいけないと信じていて、そうでなければいけないと嘘をついているから。


本当はそんなこと微塵も必要ないのに。


ノケモノになった僕も嘘をつかなきゃ。

そういうのが嫌だったから抜け出したのに、「去るものは追わない」なんて言いながら彼らは石を投げつけてくるから。


二律背反の自分らしさ。

終始一貫の二重規範。

病理に蝕まれたままに走リ続ける。


気づかないように、気づいてしまわないように。


嘘をついている。

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