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ep.002 pm4:45 大阪府河内長原市 聖マリア寮

pm4:45 大阪府河内長原市 聖マリア寮


聖クリ・聖マリア寮の玄関で、皐月はちらりと腕時計を眺め、

《さて、飛行機は18時半の関空発、早めに行って何か食べようかしら・・・。空弁もいいわね・・・》

そんな事を考えながら、皐月は自室から持ってきたブーツを履く。

立ち上がろうとした時、背後から声を掛けられた。

「皐月、どっか行くんか?」

振り返ると寮母のウメおばちゃんが、学園のヌシ猫・リュウノスケを抱き合え立っていた。

《凄い・・・。ウメおばちゃんって、リュウノスケを抱きかかえれるんだ・・・。理事長ぐらいしか無理だと思ってたんだけど。侮れない・・・。私でさえ、先週猫パンチ食らったのに・・・》

でっぷりと肥えたリュウノスケは、見るからに重そうに感じる。


皐月はウメに笑いかけ、行き先をごまかした。

「ええ、そうなんです。親戚が来てるんで、兄の所へご飯をよばれに」

ウメは、納得の表情で、

「ご馳走か?いいね~。ほな、皐月は晩御飯いらんねんな。せっかく、おばちゃん、今日は煮込みハンバーグ作ってんけどなぁ。残念やわ・・・」

《しまった!ウメおばちゃんの煮込みハンバーグ、絶品なのよね・・・》

皐月は申し訳なさそうに、

「明日食べますから、残しておいて貰えると、私、嬉しいなぁ。ウメおばちゃんの最っ高に美味しいんだもの!」

ウメは、満面の笑みを浮かべ、

「そうかい?じゃあ、ハンバーグは取っておいてあげるわ。睦月先生の所行くんだったら、今日は外泊やね?」

「はい、すいません・・・」

皐月は更に恐縮する。

しかし、残念な事に皐月が、ウメおばちゃんの煮込みハンバーグを食べれる事は無かった。

晩御飯の際、大食漢のこころとローズが、余っているハンバーグを全て平らげてしまうのを皐月はまだ知らない・・・。

ウメに見送られ、皐月は玄関を後にする。

駐輪場に着くと、愛車の黒いホンダ・アフリカツインのエンジンを掛け、颯爽と走り出した。

《とりあえず、兄さんのマンションでセリカに乗り換えなきゃ・・・。でも、超ミニスカートでオフロード・バイクに乗るもんじゃないわ。これじゃあ、パンツまる見えじゃない・・・。すぐそこだから、いいようなモノだけど・・・》

皐月の悩みは尽きない。

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