表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/51

ep.018 pm11:17 北海道札幌市中央区 スキャンダル・セックス・スウィート

pm11:17 北海道札幌市中央区 スキャンダル・セックス・スウィート


“スキャンダル・S・スウィート”の入るミリオンビルの4階は、どうやら個人オフィスのフロアになっているらしく、エレベーターを降りると通路を挟み4つの鉄のドアがあった。

広尾は左手前のドアの前で立ち止まると、ジーンズのポケットから鍵を取り出す。

ガチャガチャと開けると、皐月を中に誘い、

「この中で待ってて」

皐月は息を止めたまま頷き、部屋の中に入った。

広尾は部屋に入らない。

いや、正確には部屋に入れないらしい。

《ふーん、あの腋臭男は入れないんだ。だとこの部屋には何か秘密が・・・》

広尾は皐月が部屋の真ん中にある応接セットのソファーに座るのを確認し、ニヤニヤといやらしい笑顔を皐月に向け、

「じゃあ、がんばって」

意味深な言葉を残しドアを閉めると、さっさと戻って行った。

皐月は目を閉じ意識を集中する。

広尾の足音が遠退くの確認すると、立ち上がり部屋の中を見回した。

目に入ったのは、オフィス机の上にノートパソコンが一台、帳簿や書類が入った書類棚、観葉植物、神棚、そして、半開きになってる隣の部屋へ通じるもう一つのドアだ。

皐月は、半開きのドアの隙間から隣の部屋を覗き込む。

《ああ、やっぱりね・・・》

皐月が目にしたのは、キングサイズのベッドだ。

《どうせ、講習と称していやらしい事をするのね。ふーん、面白いわ・・・。ん?》

皐月は耳を澄ました。

刹那、エレベーターが停まる音が聞こえ、誰かの足音が近付いてくる。

《足音からして男ね》

皐月は直ぐさまソファーに戻って座ると、緊張している雰囲気を醸し出した。

ノックも無くガチャリとドアが開き、少しイラついた声で、

「ごめん、ごめん。待たしたね」

チャラいスーツを着た三十代前半の男が、入って来た。

男は皐月の目の前に、ドカっと座る。

皐月はサングラスの奥底で、男の値踏みをしながら、

《この男が、腋臭男が電話で話していた石山ね。しかし、何処で買ったのかしら品の無いスーツね、シャツの柄も趣味悪いし。髪型も最悪。肌ケアしてるのかしら、ニキビだらけじゃない・・・。美青年とはいわないまでも、マシな男いないのかしら・・・》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ