ep.012 pm9:37 北海道札幌市北区 札幌クイーンホテル
pm9:37 北海道札幌市北区 札幌クイーンホテル
皐月は既にチェックインを済ませ、札幌クイーンホテルのプリンセス・スウィートに居た。
部屋はキングサイズのベッドが二つ入っても余りある寝室と、二十畳はあろうリビング、そして、夜景の見える広いバスルームに、大理石を床に使ったトイレである。
《悪くはないけど、無駄に広いホテルね。とりあえず、軽くシャワーを浴びて出掛けるか・・・》
皐月はソファーに座り、優雅にブーツを脱ぐ。
立ち上がると、漆黒の特製はねくみのジャケット、黒いビスチェ、そして、黒革のタイトミニを脱いだ。
皐月は、自身の妖艶な黒の下着姿を窓ガラスに写し、少し身体をくねらせて見る。
《ふふっ。我ながら見事なプロポーションよね。お嬢様には悪いけど、これだけは勝ったわね》
皐月が自慢したくなるのも尤もで、上から88-57-86のナイスバディなのだから。
皐月は、一通りボディチェックを済ませると、皐月はストッキングの停め金具を外し、ガーターベルトを取った。
ソファーに左足を乗せ、ストッキングを脱ぐ。
同じ様に右足も。
次に背中に手を回し、黒のレースのブラジャーを外した。
たわわに実った形の良いDカップの胸が現れる。
最後に、残った黒薔薇柄レースのショーツを脱いだ。
驚いた事に、皐月の下半身にはアンダーヘアが全く無い。
完全な裸体の皐月は、かなり筋肉質に見え、伝説の女戦士アマゾネスやワルキューレ想像させる。
皐月は、軽くストレッチを行い、バスルームに向かった。
ガラス戸のドアを開け、直ぐさまお湯と水のノブを拈る。
勢いよく出る少し熱めのお湯が心地好かった。
湯気で立ち上るバスルームで、皐月は氷室との車内での会話を思い出す。
《結局、氷室さんは奥さんと娘さんが何で亡くなったかは言ってくれなかったけど、気になるわ・・・。兄さんなら知っているかしら?》
皐月はノブを閉め、洗面台の下に置かれている唐籠から真っ白なバスローブを取った。
サラリと羽織り、帯を締める。
濡れたままリビングに向かい、ソファーに置いてあるジャケットから携帯を取り出すと、短縮番号で睦月に掛けた。
ツーコールで睦月が出ると、
「あ、兄さん。私。ええ、今は札幌クイーンホテル。知ってたら教えて欲しいの。札幌支部の氷室さんの奥さんと娘さんは、いつ亡くなったの?」