直接対決に向けて
最後らへんは、視点が変わります。
「あ、時間のようですね…」
そう言ったルイさんを見ると、少しずつルイさんの体が消えていっていた。
「それじゃ、術はこれですね。生け贄と引き換えに、魂を甦らせる術…。その生け贄には、ミリア様がそしてもう一人…」
「ロランは今、そのもう一人を探してるはずです」
「分かりました、ありがとうございます。後は任せて下さい!」
「ロランを、よろしくお願いします」
そう言うと、ルイさんの体は消えてしまった。
「任せてって、具体的にはどうするのさ」
「まぁ、色々としますよ。皆さんにも手伝ってもらいますよ!」
私が満面の笑顔で言うと、ルーカス王子達はよく分からないような、複雑な表情をしていた。
「嫌な予感がするのって、僕だけじゃないよね?」
「あぁ」
「アオ様、何を考えているんでしょう?」
「俺に聞かれても分からん、ただ…。大変なことにはなりそうだな」
ルーカス王子達がそんなことを話していることにも気づかず、私はこれからのことを考えていた。
「さ、忙しくなりますよ!まずは、離宮へ帰りましょう。ナタリーとおばあちゃんにも説明しないといけないし」
私は意気揚々と、侯爵邸を後にする。そんな私に続くように、ルーカス王子達も離宮へ帰った。
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「なるほどね、じゃ私とおばあ様で場所を特定したら教えるね」
「よろしく、ナタリー。おばあちゃんも、よろしくお願いします」
「久々の大仕事ね。きちんとやるわ」
私は、二人に説明をして部屋を後にする。そして、自分の部屋に帰りお父さんに連絡をした。
お父さんは、私の説明を聞くと快く承諾してくれて、うちの守護精霊も召喚できるようになった。
「これは、さすがにルーカス王子に相談しないといけないよね…」
私は、あることを頼みにルーカス王子に会いに行った。
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同日、深夜。
ある屋敷にある一室。男が二人いる。
一人は、騎士の服を着ており片方の膝を床に着け、もう一人の男に頭を垂れている。
「まさか、貴様がこちら側にくるとはな…。あの王子のことはいいのか?」
「あいつにはもう、ついては行けません。これから忠誠を尽くすのは、ロラン様。貴方ただ一人です」
「奴らも驚くだろうな、お前が裏切るとは思わないだろうな」
ロランと呼ばれた男は、とても楽しそうに笑っている。騎士服の男は、まだ頭を垂れたままの姿勢でいる。
「さて、これからもっと面白くなりそうだな」
そして、夜は明けていった。