侯爵の屋敷へ4
「魂って、どうゆうことですか?」
聞いてきたルディさんも、他の私とルイさん以外はどうゆうことか、全く分からないだろう。
「分からなくて当然なんです。その術は昔に禁呪として、取り締まりの対象になってますから」
「禁呪…。魔術師会が取り締まってるんだったな」
「そうです。しかしロランは、取り締まりの対象にはならなかったんです」
「取り締まりの対象にならない?」
「魔術師会で、登録をしてなかったんですね。登録をした者は、術を発動する前に拘束されるはずですから」
どんなものにも抜け道はある。前にそんな感じのことを本とかで見た気がするけど、今回のはまさしくその抜け道を使われたんだ。
この世界では、各国に魔術師会があってだいたい5歳ぐらいの子供が集められ、術を使う力が有るか無いか調べられる。たぶんこの国の魔術師会は、それをしていなかったのだろう。だから、ルディさんやルーカス王子達も、最近になって術が使えることに気づいたんだ。
「そこは、こちらの落ち度だな…。エリクシル家が問題を起こすまでは、まだ細々とやっていたらしいが問題が起こってからは、全くやってないからな」
「まぁ、使えることを知らなければ下手に使おうとは思わないと、考えたんだね」
「だろうな…」
「ロランは、一族の中でも上位に入るほどに力が強く、将来は必ずエリクシル家を背負う立場になると一族の誰もが思っていたし、実際に当主としての教育もされていました。ですが…」
「国王様の命を狙ってしまったんですね」
「はい…」
「で、魂を喰わせるって具体的にはどうゆうことなんですか?」
「つまり、自分の寿命と引き換えに永遠の命をもらうんですよ」
「それだと、対等じゃないですよね?」
さすが、ルディさんだな。ルディさんの言うとおり、これだと精霊はあまりメリットがない。だからこそ、精霊も契約をせずにその術をしようとした者を逆に支配してしまうのだ。
普通の闇の精霊であれば、だ。
「普通の闇の精霊ではなく、エリクシル家を代々守護している精霊と契約をしたんですよね」
「はい。我が家の守護精霊は、闇の精霊でしたから」
「で、あれば。エリクシル家がまた復活すれば、大きな力が得られる」
「その通りです」
だとすると、私もこっちに連れてこないといけないな。精霊王にも、伝えておかないと。
「ルイさん、あとどれぐらいその姿はもちますか?」
「あと、数時間しかこの姿を保てないのです」
「分かりました。その間に色々と聞きたいことがあるので、よろしいですか?」
「分かりました。ロランを止められるなら」
それから、ロランがやろうとしている術を絞り混んでいき、それと同時にロランがどんな術を苦手としていたかなどを聞いたりしていたら、あっという間に時間が過ぎていった。