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さらに事件発生!

「ルーカス王子!大変です!」


 私達が和やかに昼食を食べていると、突然カイルくんが部屋に入ってきた。

 カイルくんの様子が、いつもと違うことはこの場にいる全員が分かった。


「何かあったか?」

「ミリア嬢が、いなくなりました!」

「なんだと!どういうことだ、騎士団の牢にいたはずだろう」

「それが、見張りの騎士が言うには朝ご飯の食器を下げに行った時はまだいたらしいのですが、それから一時間後の見回りの時には、もういなくなっていたそうです!」

「あそこから出るには必ず、騎士団の詰め所前を通らなければならない。容易に出られるような牢ではないぞ」

「ルーカス王子、もしかしたら術で移動したのかも知れません。とりあえず、牢に行きましょう」


 術を使ったなら、まだ名残があるだろうし。もし術を使っていないのなら、内通者が何かしてミリア様とどこかへ行ってしまってるかも…。

 どちらにせよ、早く行かないと!


 私達は、急いで牢に向かった。



ーーーーーーーーーーーーー



 牢に近くなってくると、騎士の人達が忙しなく行き来しているのが分かる。


「ルーカス王子!」

「今、どんな状況だ」

「はっ、今はこの辺りの捜索をさせています!」

「牢には、何か残ってなかったか?」

「目に見えるような物は何も」

「分かった。しばらく捜索して、何もなければ捜索の範囲を拡げろ。それと、マーリン侯爵に連絡をしておいてくれ」

「はっ!」


 ルーカス王子の指示を受け、その騎士は走っていった。


「とりあえず、牢を一度見ておくか」

「はい」

「足元には気を付けろよ」


 ルーカス王子を先頭に、私達は牢の中に入っていった。



 中は、一人一部屋になっていて数人いるようだった。その人達も、外が騒がしいのに気付いているのか、牢のドアの小さな窓からこちらを覗いていた。


 ミリア様がいたのは、一番奥の牢だった。

 ルーカス王子に続いて中に入ると、微かに術の名残があった。


「やっぱり…。何かしらの術を使ったみたいですね。名残があります」

「ミリアは、術は使えないはずだぞ」

「ミリア様を、誰かが術を使ってここから出した…」

「まさか…」

「ロランだと思います…。ロランが姿を見せた時に感じたものと同じでした」

「本当に繋がってたんだ…」


 ジミーくんは、たぶん少し前に私がミリア様が起こした騒動と、ロランが姿を現した時が同じ日に起きたことに疑問を感じていた時のことを言っているんだろう。

 それにしても、本当に繋がってたなんて…。


「厄介だな」

「そうですね…。とりあえず、術の名残を追ってみましょう」

「いけるのか?」

「これだけ残ってたら…。いけるよね、ナタリー」


 私達が色々と言っている間、名残を慎重に調べていたナタリーが、牢の床に触れていた手を離しながら応えた。


「うん。相手も結構弱く術をして、薄めてるみたいだけどこれだけあれば追えるよ」

「よし!なら、行こう」



 私達は、ナタリーが名残を追って歩いていくのに続いて歩き出した。







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