表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/135

私とナタリーのこと

「疲れたー!」

「もともと、自分の中にあるものを引き出されるのは、なんだか変な感じだな」


 ジミーとリオンがそんなやり取りをしている時、ルーカス王子とルディさんは本当に力が使えるのかどうか、まだ疑問に思っているようだった。


「力を使うのは、また明日にしましょう。普通は、半日かかるようなものを二時間でやってるんですから、負担は凄いはずですよ」

「そうだな、今日は仕事も終わってるし。この後はゆっくりさせてもらおう」

「リーンさんに、軽い食事を頼んだので食べていって下さい」

「ありがとうございます、アオ様」


 すると、リーンさんが他の侍女さんにも手伝ってもらいながら、食事を持ってきてくれた。

 私が軽くって言ったから、そこまで量を頼んでないのにと不思議に思っていると、リーンさんが私に近付いてきた。


「リーンさん、なんか量が多くないですか?」

「アオ様、相手はまだまだ育ち盛りの男性なんです。これだけでも少ないはずですよ」

「なるほど…」


 さすがリーンさん…。

 最初はリーンさんの言葉に半信半疑だった私の考えは、ルーカス王子達の食事の風景を見てそれが本当だと信じた。


「まだ足りないな…」

「この後、昼食だろそれまで待て」


 あの量でまだ足りないんだ!

 今まで男性というと、お父さんぐらいで日本にいた頃は高校も行ったけど、実際に見るのは初めてだな。高校の時は、友達と中庭とかで食べててずっとお弁当だったしね。

 育ち盛りの息子がいる家庭の、お母さん達は大変だって言うけどこれをみたら確かに、て思うよね。


「明日からは、力の使い方を教えてくれるんだよな」


 ルーカス王子が、お茶を飲みながら聞いてきた。


「そうですね。力の種類で使い方が異なるので、別々に教えていきますね」

「分かった。それにしても、マリアーヌ様は隙がないな」

「そうですね、長年女王としてシュトラント王国を治めていて、他国の王とも渡り合っているんですからね」

「確か、今のお前と同じぐらいの時に女王に即位したんだったか?」

「そうですよ」

「改めて思ったが、アオの家族は本当に凄いな」


 たぶん、ルイージュおば様のことも含まれるんだろうな。


「アオ、明日からのことだけど、私とアオで二人ずつ見た方がいいと思わない?」

「そうだね…。じゃ、私がルーカス王子とルディさんだね」

「じゃ、私はリオンさんとジミーさんね!」

「担当が決まってるんですか?」


 ルディさんの質問に、ナタリーが応えた。


「私とアオは、得意としてる力が違うんです。水や風、光ならアオが得意。土や緑は私が得意なんです」

「それは、太陽の姫、月の姫と関係があるのか?」

「んー。それは特にはないと思いますけど、緑に関してはアオは本当に苦手ですよ」

「変な形になるんだよね。あと、成長のスピードが遅かったり」

「逆に私は、風を上手く操れなかったりね」

「そうだね。ま、それを補いあいつつ頑張ってるよね」


 だいたい私が依頼を受けていたけど、たまに私一人じゃ手に負えない時は、ナタリーにも手伝って貰ってた。

 本当に私とナタリーの関係は、二人で一人と言ってもいいぐらいの関係だ。


「噂は噂でしかなかったんだね」


 私とナタリー、ルーカス王子とルディさんの四人で話をしていると、ジミーくんとリオンさんもやって来た。


「噂?」

「なんか、私とナタリーが不仲だって噂があったみたいだよ」

「なにそれ!なんでそんなことに?」

「そもそも、お母さん達同士が仲悪いって思われてたらしいよ?」

「それはないよね。この間も、アオが危険なことしてるって聞いて、お母様達二人がお父様にアオを連れ戻してって抗議してて、お父様がオロオロしてたのに」

「所詮は噂だからね」


 私とナタリーのやり取りを見て、ルーカス王子達は驚いているみたいだった。


「もう少し話聞きたい!」

「それじゃ、昼食もここで用意してもらいましょうか?」

「そうしてくれるか?」

「分かりました。リーンさん、よろしくお願いします」

「かしこまりました。少しお待ち下さいね」


 リーンさんが出ていったあと、話はまたスクリプト王国のことに戻った。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ