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調査2

 しばらくすると、町に入ったようでだんだんと人が集まってきているみたいだった。


「やっぱり、人が集まってきますね」


 そう言うと、ルーカス王子が私が外を見ている窓の方に近付いて、同じように外を見る。


「まぁ、この馬車には王家の紋章が付いてるし、警備の奴等もいるしな」

「そうですよね」

「しっかりやってくれよ、婚約者殿」

「もちろん!」


 その時、ちょうど教会についたみたいで馬車が止まった。


「どうぞ」


 ルディさんが、外から馬車の扉を開けてくれて、ルーカス王子が先に出て私に手を貸してくれる。

 私が降りると、ルーカス王子に向けての黄色い声援が一気に静かになった。



「あれが、スクリプト王国の姫様?」

「婚約者ってミリア様じゃなかったのね」

「今、ミリア様はお城じゃなくてご実家の方にいらっしゃるそうよ」

「え!そうなの?」



 そりゃ、ミリア様の噂になるよね。そういえば、これってミリア様も知ってるのかな?ま、いまさらか。


「さ、行こうか。アオ」


 おぉ!王子様だ!私も切り替えないと…。


「はい、ルーカス王子」


 そして、私達は腕を組んで歩き始めた。

 すると、ルーカス王子が私の耳のところに顔を近づけて。


「切り替え早いな」

「もちろん!ちゃんとやりますよ」

「フッそうか」

「あ!また、笑ってる」

「しょうがないだろ、面白いんだから」

「もう!」


 私とルーカスがそんなやり取りをしている時、周りの町の人達は。


「ねぇ、見て!お二人が何か話しているわ」

「ルーカス王子のあんな笑顔、今まで見たことある?」

「ないわ!余程、姫様が好きなのね。とても仲が良さそう」

「あの姫様、本当に綺麗だものね」

「本当に、お似合いの二人ね」


 こうして、国民に私達がとても親密だと知らしめたことを、私達は全く気付かないまま教会の中へ入った。



ーーーーーーーーーーーーーー




 教会の中は、ちゃんと清掃されているようだった。


「確かに、人がいた気配はあるが…」

「これはたぶん、私達が来るからってことでされたんですかね?」

「どうだろうな…。とりあえず、ちょっと調べるか」


 私達は、それぞれ教会の中を調べることにした。




 私はジミーくんと、ルーカス王子はルディさんとリオンさんと一緒に行動することになった。


 私は、教会の奥の部屋から見てみることにした。扉を開けると、さすがに少し埃っぽかった。ここまでは、清掃されていないんだろう。


「ここ調べるの?」

「はい!さ、やりますよジミーくん」

「はぁ~。仕方ないか…」


 私達は、その部屋を調べ始めた。

 中には、段ボールがいくつかあってそれを開けていった。中には、食器だったり本ばっかりだった。


「何もないよ、アオ様」

「みたいですね…。次に行きましょうか」


 そして、比較的部屋のドアの方にいたジミーが先に出て、私が後を追うように歩いていくと…。


ミシ


 ん?なんか、ここだけ音が…。

 私が歩いていくと、途中床が軋む音が変わっている場所があることに気づいた。


「どうかした?」

「なんか、ここだけ音が違うんです」


 言うと、ジミーくんは戻ってきて床を叩き出した。


「確かに、音が違うね。ちょっと、離れて」


 私はジミーくんに言われたとおり、少し離れると音が変わっているところの床の板を、外し始めた。


「え?」

「これは、地下に繋がってるみたいだね…」


 板を外したところにあったのは、地下へと続いているらしい、隠し階段だった。






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