心強い味方
「久しぶりね、アオ」
「おばあちゃん!久しぶり」
私は、ルーカス王子達と一緒にシュトラント王国の女王で、私のおばあちゃんであるマリアーヌ・シュトラントを出迎えた。
国王様は、念のため出迎えたには出てきていない。
「ようこそ、ジョイール王国へ。ジョイール王国、王子のルーカスです」
「お招きありがとう、しばらくお世話になります。ルーカス王子」
二人が挨拶をして、おばあちゃんはルーカス王子の隣にいた私を見た。
「しばらく会わない内に綺麗になったわね、この前あったのはいつだったかしら?」
「確か、去年のお母様の誕生日じゃなかったかな?」
「そうだったわね」
私達が話していると、おばあちゃんの斜め後ろにいたフードを目深に被った人が、おばあちゃんのドレスの腰のあたりを少し引っ張っていた。
「あ、そうそう!アオに、素敵なお客様を連れてきたの」
「お客様?」
すると、フードを被っていた人が私の前に出てきてフードを取った。
「え!?」
「来ちゃった!」
そこにいたのは、日の光を浴びて輝く金髪に綺麗な桜色の瞳を持つ、ここにいるはずがない人物…。
「ナタリー!なんでいるの!」
「お父様から結構状況が厳しい、て聞いたから」
お父様……なんてことを。
「あ、お父様を責めないで。話は私が盗み聞きしただけだから」
「勝手に心を読まないで、おばあちゃんもなんで連れてきたの!」
「だって行きたい、て言うんだもの。それに、私は止めたのよ?」
「勝手に荷物に紛れちゃった」
ナタリーはえへへと笑っている。かわいい、かわいいよ?でも来ちゃダメでしょ…。
「すみません」
私が、凄い脱力感に襲われていた時、ルーカス王子が会話に入ってきた。
「ナタリーヌ姫の部屋を用意した方がいいんだろうか?」
「あら、私ったらすみません。スクリプト王国の王女ナタリーヌです。部屋は、アオと一緒で大丈夫ですから、用意しなくて大丈夫ですよ」
「そうですか…。では、城へどうぞ父がまっていますので」
そう言われ、私達は城の中に入った。
国王との謁見の間に行く間、ナタリーと私は色々な話をした。
「じゃ、アオは離宮に住んでるの?」
「そう、とっても綺麗なんだよ。それに、力を溜められる塔もあるし」
「そんな塔があるの?」
「元は、そこに前に住んでいた人が神様に祈りを捧げるための塔らしいんだけどね」
「へぇ、でもそういうのがあるのはいいよね」
「だよね!」
「あのさ…」
私とナタリーが話していると、ジミーくんが話に入ってきた。
あ、一応さっきルディさん達もナタリーに紹介したよ。
「今回の太陽の姫と、月の姫は仲が悪いって聞いたんだけど?」
「そんなことないよね?」
「うん!アオとは最初から、親友みたいな感じだよね」
「なんでそんな話が?」
私が聞くと、ジミーくんは気まずそうに視線をずらした…。
あ~なんとなく分かった。
「私の母親が異世界の人間で、私とナタリーどちらがスクリプト王国の次期国王になるのか、てことで国が荒れると思われてるんですかね?」
「まぁ、そうだね」
「それに関しては、最初からナタリーの旦那さんがなることになってたよね?」
「うん、そうですよ?」
「だいたい、私の母親とナタリーのお母様も仲がいいし、争いが起こるようなことは何もないしね」
「そうなんだ…」
「もう着くぞ」
ルーカス王子が、声をかけてきて私達は話すのを止めた。
それから、一通り国王様に挨拶をしてお城におばあちゃんは部屋を用意されてたけど、結局おばあちゃんも離宮がいいと言って、離宮に住むことになった。