聞き込み開始!2
それから色々な妖精に話を聞いたけど、やっぱり力の弱い妖精をその母親替わりである母体が、あまり近づくなと注意してるようで、最初に会った子達とさほど変わらない情報しか得られなかった。
「やっぱりこれ以上は無理じゃない?その母体に話を聞かないと」
「やっぱりそうですよね…」
最初の子達から結構粘ったけど、一旦お城に帰って夜に備えた方がいいかもね。
「とりあえず、お城に帰って夜に備えましょうか?夜はミリーとレミーも一緒に来てもらいましょ」
「それがいいね」
ジミーくんも同意してくれたので、私達は一旦城に帰って夜に備えることになった。
ここまでは、少なくとも二月以上前から変化があったってことと、妖精達の母体が警戒してることしか分かってない。夜は色々収穫があればいいけどなぁ。
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そして夜。
「なんか嫌な空気ー!」
「ほんとだ~」
取引所付近に向かっている途中、ミリーとレミーがそう言って騒いでいた。
でも確かに空気は悪いな…。この前、リーンさんを追いかけて行った時より悪くなってる。
「最初はやっぱり、あの樹から?」
「そうですね、あの樹から行きましょう。それに、樹なら昔からここにいるんでしょうから色々知ってそうですし」
「よし、じゃあ行こう」
私達は、あの樹のところに来た。
「ところで、どうやって話を聞くの?」
「母体の妖精を呼び出します」
そう言って、私は右手を樹に当てた。するとそこから金色の光が出てきて、その光は私が立っている隣に渦を巻き始め、やがて人の形をとり始めそこには、金色の綺麗なストレートの髪の毛で白いオフショルダーのドレスを着た綺麗な人が現れた。
「こんばんは、少し話を聞きたくて貴女を呼びました」
「私に話を聞きたい人がいることは聞いていました。まさか、月の姫とは…。息子達は何か無礼なことはしませんでしたか?」
今は髪色を変えずに来てます。夜だから大丈夫かと思って。
「いいえ、大丈夫ですよ」
「それなら良かった。最近、暴走してしまう子達が多くて…」
「暴走、ですか?」
「えぇ、最近空気が悪くてそれに耐えきれなくなる子達がいて」
「なるほど、その子達は?」
「暴走した子達は、また私の中に戻して出来るだけ浄化しているのですが、どうやら私もその空気から影響を受けてしまって、だんだん辛くなっていたところです」
母体の妖精にも影響が出てきてるのか…。それに、力が弱い妖精達が暴走。
「それは、貴女以外の妖精も言ってますか?」
「えぇ…。可愛そうに中には、力を使い果たし消滅してしまう者も…」
「ひどい…」
「月の姫様、実は私は妖精王様の数多いる娘の一人なのです」
「え!そうなんですか?」
妖精王様とは、以前受けた依頼で仲良くなって度々力を貸して貰っていた。
まさか、その娘さんとここで会えるとは思わなかった。
「だから、私を含め樹の妖精達は月の姫様に全力で協力します。妖精王にも、この状況は報告しているのですぐに全ての妖精達に知らせがいくと思います」
「それは心強いです!ありがとうございます」
「いいえ」
「本当にありがとうございました。また何か分かったら知らせますね」
「はい」
すると、樹の妖精の姿はまた光に戻り樹に吸い込まれていった。
「結構強力な助っ人を貰った感じ?」
これまでの一連の流れを見ていたジミーさんが言った。
「はい!これで、毎回町に来なくてもよくなりましたよ、ジミーさん」
「?それはありがたいけど、なんで?」
「それは、またあとで教えますよ!さ、帰りましょ」
「ほんと、よく分かんない…」
さぁ、ここから一気に突き詰めていきましょうか!