いざ、妖精の国へ!!
そして出発の日。
部屋の中央に陣を描いて、あっちに持っていくお菓子を持つ。
今日は、髪をポニーテールにしてあまり装飾品もせず、動きやすいものにする。
「さて、行ってきます」
夜だから静かにね。
結局あれからルディさんから毎回、何かしら手伝うことはないかと質問されたが即答で断り、毎回寂しそうにするルディさんを見るという、不思議なルーティンが出来ていた。
ルーカス王子もルーカス王子で、本当に安全なのか?そいつらは、信頼できるやつらなのか?と質問責めにされた。信頼できる子達だから、契約してるんだけどなぁ。
なんて考えていると、あっという間に妖精の国の門の前まで来た。
そこには、私以外にも妖精と契約を結んでいるのだろう人達がいる。
「さすがに、この時期は多いな…」
実は今の時期は、妖精の国や他の使い魔の国もだけど契約をする人達が多いため、人が多いのだ。
それに、新しい妖精もたくさん産まれるからパートナーを見つけやすいんだよね。
「あの子達の家に行こうか」
さっそく門まで行くと、門番の小人がいる。
「名を」
「ミリーとレミーの契約者、アオ・スクリプトです」
そう言うと、小人は目の前の机に置いてある分厚い本の上に手をかざす。すると、本が独りでにパラパラとめくれ始めあるページで止まる。
「水と光の妖精と契約をした月の姫か。さ、どうぞ」
「ありがとう」
私は門の中に入った。
中は、大きな湖の周りを囲むように普通の家がならんでいる、自然いっぱいの景色が広がっている。
私が契約をしている妖精は二体いて、さっき小人が言っていた水の妖精がミリー、光の妖精がレミーだ。
契約はだいたい一人一体なんだけど、私はなぜかこの二体に気に入られ、まぁ魔力は月の女神のを継いでるから問題なくできた。
契約したミリーとレミーは、元々仲がよく私がビスケットを食べていた時は一緒に遊んでいたのだとか。
それで二人は一緒に住むことにしたらしく、妖精の国に新たに作ったのだとか。
妖精はだいたい一体、二体って数える人が多いらしいけど、私は人と変わらないから一人二人と数える。
そうこうしているうちに、二人の家に着く。
水色に金粉のような物をまぶしたような色の屋根が特徴的な家だ。
「久しぶりだなぁ」
そして、私が家のインターフォンを押そうとした瞬間。
「「久しぶりーーーー!」」