お忍び6
「おいしー!」
「本当に、美味しいですね」
ただ今、使い魔達に持っていくお菓子の試食をしてます。パイが本当に美味しい!
「よくそんなに食べれるな」
ルーカス王子が呆れたように言った。
実は、ここで3件目なんです。主に食べているのは、私とリーンさんでルーカス王子とルディさんはそれを見てる。たまにお茶とか飲み物をもらっている。
「美味しい物はいくらでも入りますよ~」
「女は本当にそういうの好きだよな、なぜだ?」
「男の人達がお酒が好きなのと同じようなものですよ」
「そうか?」
「そうですよ!」
ルーカス王子は納得してないような顔で、またお茶を飲んでいた。ルディさんは苦笑いを浮かべていた。
「男の人と女の人は、味の感じ方も違うのでしょうか?」
「まぁ、味覚には個人差がありますしね」
「そうですね」
確かに、男の人と女の人って術のかかり方も違うしね。
そう考えると、術をかけるのも結構面倒くさいな。
「アオ様、ポロポロこぼれてますよ」
「あ、ごめんなさい。ちょっと考え事してて」
そう言って、私は残っていた分を食べて立った。
「さて、お土産はこのパイとさっきのシュークリームにしよう!色々種類あったし、色も綺麗だったし。あれなら満足するでしょ」
「そんなに厳しいのか?」
ルーカス王子が聞いてきた。
「使い魔には種類があって、神獣、妖精、古代神があるんですけど、一般的には神獣か妖精が使い魔になります。今度、私が会いに行くのは妖精の使い魔です」
「古代神というのは?」
「古代神は、古くから各家にいる守護神みたいなものですね。家の紋様とかに使われている動物ですよ」
「あぁ~。じゃあ、アオ様は?」
「いますよ。でも、こっちに召喚するには多くの力がいるので、あまり呼ばないですね」
「ちなみに、どんな動物何ですか?」
「うーん…。ペガサスって分かりますか?」
「「「???」」」
「じゃあ、一角獣は?馬に角が生えてる」
「あぁ、それなら」
ルディさんもリーンさんも頷いている。やっぱりペガサスはいないんだな。ま、空想上の生き物って言われてて、初めて見たとき驚いたしね。
「それに、翼がついた動物ですよ。綺麗ですよ~」
「一度見てみたいです!」
「機会があったら、リーンさん達にも見せますね」
「で、どう厳しいんだ?」
「基本的に気分屋が多いんです。契約するまでの説得も、あっちが私の事を気に入らないとまったく契約してくれませんからね」
「よく、契約できましたね」
ルディさんが驚いたように言ってきた。
「それで、お菓子です!契約してくれる妖精を探してて、お腹が減って持ってきてたビスケットを食べてた時に、妖精が興味深そうに近寄ってきて、それであげたら気に入ったらしくてこれから会いに来る時に、絶対にお菓子を持ってくるのを条件に契約したんです」
「大変だったんですね」
「使い魔を持つのも大変だな」
「そうでもないですよ?さ、お菓子も決まったし帰りましょうか!」
私がそう言うと、それぞれ残ってたのを片付けて城に帰った。