ミニ集会2
「その髪飾りに何かしらの術がかけてあって、それで女性達を取引所へ誘導していると…」
「早めに場所が分かったのは良かったですね」
「あとは、どうやって黒幕を見つけるかなんだけど…」
お父さんは、私の話を聞きながら何か考えていて、時折私に確認したり質問したりしていた。
カーランド侯爵とルーカス王子は、私とお父さんの会話を聞いてたまに、話かけてきたりしていた。
それからしばらくして、お父さんが口を開いた。
「術が発動している時は、金色で一輪の花と蝶が浮かび上がるんだったね?」
「そうだよ。何か知ってるの?」
「確か、その紋様は昔その国でも王家に並ぶ力を持った一族が使ってたはずだよ」
「ですが…」
カーランド侯爵が何か言おうとしたのを、お父さんが手を軽く挙げて止めた。
私とルーカス王子は何なのか分からないままだ。
「分かってるよ、ビリー」
「何があったんですか?」
「実は、その一族はもういないはずなんだ。昔、王族を殺そうとして一族は、全員処刑されたはずなんだ」
「王族を…」
王族へ刃を向けることは、未遂であっても死罪だ。力を求めすぎた結果だ。
「なら、どうして?」
「分からない。それについても調べなければならないね」
「その一族って、魔術が得意だったの?」
「あぁ、術を使う者なら知らない者はいなかったよ」
そんなに有名な家だったんだ。普通に触ろうとしたら弾かれたしね。
「アオ、これからは注意して調査をしなさい。その一族は闇の力も持っていたそうだから」
「闇の力か…。なら使い魔にまた協力を頼みに行こうかな」
「それがいいね、彼女達なら力になってくれるはずだ」
「分かった、近いうちに会いに行くよ」
「そうしてくれ。さ、今日は疲れただろうから休みなさい。あ、もう少しビリーと話をしたいからそのままにしていてくれ。使い方はビリーが知ってるから」
「分かった。じゃお休みなさい」
「お休み、アオ」
「お休みなさいませ、アオ様。ルーカス王子。ルディ、部屋まで送るんだぞ」
「はい。失礼致します」
私とルーカス王子、それからルディさんは部屋を出た。
「部屋まで送る」
「ありがとうございます、ルーカス王子、ルディさん」
私は、部屋へ着くとルーカス王子とルディさんを見送って部屋へ入り、ベッドにダイブした。
そして、そのまま眠りについた。