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お忍び3

「確かにあれはマーリン侯爵だと思ったのになぁ」

「まだ言ってたのか?リオンとジミーが誰もいなかったと言っていただろ?」

「うーん……」


 私とルーカス王子が先に、食事をする広間に着いていて、まだ納得がいっていない私が呟くのにルーカス王子が返事をしている。その時、ルディさんのお父様で宰相をしている、クルス・カーランド侯爵が広間に入ってきた。


「なんのお話ですか?」


 私とルーカス王子は、席から立ってカーランド侯爵を迎えた。


「今日市場に行った時に、アオ姫がマーリン侯爵を見かけたらしいのだが、俺達がアオ姫に追い付いた時には誰もいなかった」

「それはまたおかしな事もありますね…。マーリン侯爵が市場に…」


 それからカーランド侯爵は、何かを考えこんでしまった。


「とりあえず、食事をしながらにしたらいいんじゃないか?」

「あぁそうだな。アオ姫様にはスクリプト王国のことも聞きたいですし」

「あ、はい」


 カーランド侯爵は何か知ってるみたいだなぁ。

あとで、少し話してみようかな。宰相様だし、色々と分かってそうだし。


 それから食事が運ばれてきて、最近のお父さんの様子やお母様達の様子などをカーランド侯爵に聞かれては、私が答えるということになった。


 その後、私とカーランド侯爵だけで話をすることになり、ガラス張りになっているテラスに出ている。


「さて、アオ姫は今のこの国で起きている事件をどこまで知っているだろうか?」

「やっぱり、知ってますよね…。最近女性の行方不明者が多いことでしょうか」

「ジョシュ国王陛下からの情報ですか?」

「はい」

「相変わらず、あの方は情報を集めるのが上手いですね。では、その女性達が商品になっていることは?」

「!まさか、人身売買のですか?」

「それは、知らなかったのですね」

「はい…。人身売買がこの国で行われている、としか…」


 まさか、行方不明の女性を売っていたなんて…。これは、本当に魔術の実験に使われているのかも。

 男性より女性の方が、術のかかりがいいから女性は人身売買でよく売れるんだよね。


「今、こちらでも調査をしている途中です。それと、マーリン侯爵のことも」

「やっぱり…」

「今日、アオ姫が見たのもマーリン侯爵本人だと思います。最近、私の方で少し動向を探ったらよく市場の方へ出向いてるようなので。引き続き調査をします。アオ姫も何かするつもりですね?」

「バレてましたか…。父から今回の人身売買の件で探るように言われました」

「そうですか…。何か手伝いは必要ですか?」

「いえ…。夜に少し屋敷を抜けますね」

「分かりました。お気をつけて」


 私がお父さんから依頼されるのも分かってたっぽいな。さすがというべきかな?

 さて、今日はその人身売買が行われている場所を突き止めるぐらいはしたいなぁ。できるだけ早く解決したいし。




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