お忍び
短いです。
お忍び当日。
「ふぅー!絶好のお忍び日和ですね、リーンさん」
「アオ様、あまりはしゃがないで下さい。女性がよく行方不明になってるって、今朝の新聞にも載ってましたし…」
「大丈夫ですよ、リーンさん。ルディさん達もいるし」
「いーえ!油断大敵です。用心するにこしたことはないんですから」
そういいながら、テキパキと私の身仕度をしてくれるリーンさん。きっちりしてる。
「さて、朝食に行きましょうか。今日もルーカス王子が待っているんでしょうし」
「気が重い…。なんでいきなり私とご飯食べ始めたんだろ?ミリア様はどうなってるんですかね?」
「さぁ、ミリア様をご自宅に帰して以来全く会っていないみたいですよ」
「そうなの?」
それはまた…。喧嘩かな?それにしては期間が長いか…。あんなに仲良さそうだったのに。
私を恨んだりしないよね?でも、ありえるか。
お父さんも気を付けろって言ってたしね。
「さ、行きましょう」
「はい」
朝食を食べに行くと、予想通りルーカス王子達が先に来ていた。
軽く挨拶をして席に座ると、ルーカス王子が口を開く。
「今日なんだが、町にあるルディの屋敷に泊めて貰おうと思うのだが、どうだろうか?」
「ルディさんの屋敷ですか?私は大丈夫ですよ。ねぇリーンさん」
「お泊まりの用意をしてきますね」
そう言いリーンさんは部屋に戻っていった。
「でも、どうして急に?」
「宰相がぜひ一度、ゆっくり話してみたいと言っていてな」
「宰相…。あ、ルディさんのお父様ですね」
「はい、父がこの国に来る前はスクリプト王国にいたとか、それでアオ様とゆっくり話してみたいと」
「それは嬉しいです。実は父からも聞いていたんです」
「そうでしたか」
「はいはい、お話は終わりだよ。早く朝食食べてくれないと、出発遅くなるよ」
ジミーくんが部屋に入ってきて、その後から朝食が運ばれてきた。
今日の朝食も美味しそう!
やっぱり、事件の捜索するのはルーカス王子達には言わないでおこう。お泊まりするならみんなが寝てしまってからでも行けるしね。