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黒幕は誰?

 その日の夜、私は父様に連絡をとった。


「いや~無事に切り抜けられたみたいでよかったよ」

「こっちは嵐がきたかのような感じだったよ。久しぶりに会ったけど、ルイージュおば様のあのパワフルの源はなんなんだろ?」

「さぁ、なんだろうね?さて、本題に入ろうかな?」


 おば様の様子を聞いていた時のような、優しげな表情はなくなり真剣な顔になったお父様。


「エモ草を取引した人物が分かったよ、名前はマクラム・マーリン侯爵。」

「ミリア様のお父様ね…」

「いろいろと、そっちに偵察部隊を潜り込ませて探ったけど。かなり危ないことに首を突っ込んで、今の地位についてるみたいだね」

「かなり危ないって?」

「人身売買って言ったら分かりやすいかな?」

「なっ!人身売買って…。もしかして、魔術師達と契約をしてるかもしれないってこと?」


 人身売買、元はその名前通り珍しい髪色や瞳の色を持つ人を売り買いしていたらしいけど、最近では、魔術師達がこぞって買っているらしい。なぜなら……人体実験をするために。

 人体実験は法で禁止されているが、まったく無くなっていない。何故なら、戦争や各地で小競り合いが起こった場合、それを力でねじ伏せる場合が大いためだ。そして、それに使われるのが私も使っている魔術だ。この世界の人々には、大なり小なり魔力がある。それが目に見える形で現れるのは、ほんの一握り。だからこそ、いろいろな国が欲しがるのだ。

 月の女神の力を持つ私も、お父様からいろいろなところへ行かされて、争いを鎮めたりしていた。

 そして、魔術師達はさらなる力を求めて研究をしていたのだが、一番成果が現れやすいのが人体実験だったため魔術師達は、こぞって人を買うようになっていく。しかし、最近では取り締まりが厳しくなってかなり減っていっていると聞いていた。


「どうやら、最近そっちに魔術師達が集まっているようでね。その集まっている場所が、マーリン侯爵の別邸らしい」

「集まっているって、まだ何かするつもりなの?」

「それが分からないからまだなんとも言えない。だが、これは私の推測なんだけどね黒幕はマーリン侯爵ではない気がするんだ」

「マーリン侯爵ではない?」

「王妃様の誕生日パーティーの時にマーリン侯爵を見ただろ?どんな感じだった?」

「どんなって……」


 私はミリア様と一緒に挨拶に来ていたマーリン侯爵を思い浮かべる。

 確か、ちょっと小太りのいかにも弱そうな感じだった気が……。


「そんな男に、魔術師達と対等に取引できる度胸があるかな?」


 お父様、私の心の中を読んだわね…。

 確かに魔術師達と取引をするのはけっこう難しい。まず、魔術師が定住している場所が分からないしね。もし、運よく見つかっても取り引きをちゃんとしてくれない場合が多い。


「マーリン侯爵と魔術師達を引き合わせた者が黒幕だと思ってるのね」

「正解。とりあえず、私の昔馴染みの魔術師を通して探っていくよ」

「分かった。ルーカス王子にも伝えて大丈夫?」

「それは少し待ってもらおうかな?まだ確証がないし、ルーカス王子に変に動かれて黒幕が気づいて逃げてしまってもいけないからね」

「了解。また何かあったら連絡をいれるね」

「よろしく。あと、一応ミリアにも気を付けて」


 そう言ってお父様は連絡を切った。

 ミリア様のお父様が関わっているとすると、マーリン侯爵の交友関係を調べたら分かりやすそうだけど、下手に聞くとかえって変に思われるな。

 さて、どうしたもんかな…。


「とりあえず、今日は寝ようかな。朝早かったからな~」


 ひとまず、おば様の襲撃で使った体力を回復させるため、私は寝ることにした。




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