対戦
お久しぶりの投稿です。
間が凄く開いてしまってすみません。
見捨てないでいて下さる方々、本当にありがとうございます!
軽めの昼食を終えた私達は、さっそく騎士団の稽古場へ向かった。ルーカス王子は少し仕事が残っていたようで、リオンさんを連れて執務室へ戻ったので、今いるのは私、リーンさん、ルディさん、ジミーくんだ。
「さて、まずは午前中にご指摘頂いた者達からにしましょうか」
ルディさんがそう言うと、ジミーくんが午前中に私も気になっていた騎士団の人達がジミーくんに連れられてやって来た。
「あ、アオ様!」
私に最初に気付いたカイルくんが走ってこちらに来た。その後から、午前中に私が気になった子が着いてきた。
「アオ様、こっちはヴィスタです。ヴィスタこちらはスクリプト王国のアオ姫だ」
「ヴィスタです」
黒髪にエメラルドみたいに綺麗な瞳、肌の色も濃くてなんかエキゾチックな感じ。でも、無表情で私に対しての挨拶も名前だけ…。一匹狼的な感じなのかな?
そんなことを思っていると、ルディさんが呆れたようにヴィスタくんのフォローをしてきた。
「すみません、この通り無愛想なやつで」
「いえ…でも始めてみました。……“精霊に愛されし者”」
“精霊に愛されし者”
それはその名の通り、精霊に愛されこの地に産まれた子達のこと。特徴として、この世界ではあまり見ない真っ黒の髪。そして、エメラルドに金粉を散らしたかのように美しい瞳。
「……本当に綺麗な瞳…」
私が覗き込むように、見つめていると顔をそらされてしまった。
「ごめんね、初めて見たからつい」
「いや…。あんた変わってんな、こんなの綺麗なんて言うやつ初めてだ」
「ヴィスタ!アオ様は姫様なんだから、言葉気を付けないと!」
「あぁ、いいよいいよ。無理して敬語とか使われても堅苦しいだけだし、その方がヴィスタくんも話しやすいでしょ?」
そう言うと、ヴィスタくんにあんたやっぱり面白いと言われカイルくんには、物凄く謝られた。
うん、私はいいんだよ私はね?問題はさっきから何も言わずにいるルディさんなんだよ!なんか…威圧感?が凄いんだよさっきからさ!
「あの、ルディさん?何かありました?」
「いえ、何も」
いや、絶対に何かありますよね?その笑みは。
「それより、午前中の指摘を」
「あ、そうだ!二人に来てもらったのは午前中に騎士団の稽古をみて、気になったことがあったからなんだよ」
わたしがそう言うと、二人はなんのことか分からないという感じで顔を見合せ、また私を見つめてきた。
「カイルくん、もしかして足怪我してない?」