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お誘い

「それで、その叔母は厄介なのか?」


 ルディさんが、城に行ってだいたい三十分ぐらいたったあと、ルディさんが戻ってきて許可が降りたので行きましょう。と言われて、今は城の中のルーカス王子の執務室にいる。


 中に入ると、ルディさんから部屋にあるソファーに座るように言われ、座るとさっそくルーカス王子が聞いてきた。


「そうですね、私とナタリーが幼い頃から自分の娘みたいに可愛がってくれていたので、どこかでルーカス王子が私にすぐ、婚約破棄したとなれば怒り狂います」

「…そんなにか?」

「はい、私がここに来たと聞いてスクリプト王国を飛び出したみたいですし」

「そうか、それでその叔母は何をやってるんだ?」

「貿易商なんですが、ルイージュ・マリーて言うんですけど」

「!?貿易の黒の魔女が叔母なのか?」


 おば様って、そんなふうに呼ばれてるんだ。さすがだな~。


「たぶん、それで合ってるかと…。とりあえず、ルーカス王子が婚約破棄を宣言したことをおば様に知られないようにしないといけません。おば様ってそんなに有名なんですか?」

「あぁ、どんなに入手困難な商品でも必ず手に入れて、どんな取り引きも成功させてしまう美しい魔女。それが、ルイージュ・マリーだ」


 確かに、私とナタリーのおばあちゃんのいとこだから、高齢なはずなんだけど見た目は若いからな…。


 おば様は、社交界にも結構名前がしれていて昔から男性には高嶺の花だったとか。

 今でも、夜会とかに行くとおば様は色々な方に声をかけられる。特に男性が多いけど。


「そうだったんですね…」

「とりあえず、婚約破棄のことが分からなければいいんだな」

「はい」

「それなら、こちらで何とかする。俺が言ったことだからな」

「分かりました。それじゃ、私はこれで」


 私が立ち上がると、ルディさんが先にドアに歩いて行っていて、ドアを開けてくれていた。


「あぁ」


 私はもう一度、一礼してから部屋を出た。

 ここに来た時と同じように、ルディさんが一緒に離宮まで来てくれるみたいだ。

 私はさっそくあのことを聞いてみることにした。


「あの、ルディさん」

「何ですか?」

「私の父とルディさんのお父様が、知り合いだったのは知ってました?」

「はい。と言っても、知ったのは闘い方を学ぼうと父に言いにいった時でしたから、まだ最近ですが」

「そうなんですか」

「父からは、生半可な気持ちでやってアオ様に迷惑をかけるぐらいなら、止めておけと言われました」


 そんなことを言ってくれたのか、生半可な気持ちでされると迷惑なのは、確かだな。


 私がそう思っていると、ルディさんは急に歩みを止めて私に振り返った。


「アオ様、今から騎士団の訓練所に来ませんか?」

「どうして、ですか?」

「父から、アオ様は幼い頃から一通りの武術などを習っていて、腕は団長レベルだと言ってました」


 習ってたし、スクリプト王国では団長を倒しちゃったけどそれは誰かが教えないと知らないはずなんだけどな…。


「それは、どこで聞いたんでしょうか?」

「スクリプト王国の国王から、定期的に手紙が来ていたみたいですよ」

「え?父は、ルディさんのお父様がここにいるって知らなかったみたいでしたけど…」

「たぶんですが、少し魔術を使っているのかもしれません。二人だけのやり方があるのだと」

「なるほど」

「それで、見にきて頂けますか?」

「あ、はい」

「それじゃ、行きましょう」


 どことなく、嬉しそうな雰囲気を出しながらルディさんは先を歩いて行く。




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