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事件の原因

 ん?あれ眩しい…もう朝?

 私は、ゆっくりと起き上がって辺りを見た。


 ここ、城の客間かな?


「っ……」


 やっぱり声出ないな、どうしよう。誰か来るまで待ってた方がいいか。


 しばらくすると、ドアをノックする音が聞こえて声が出ないため、少し様子をみてみるとリーンさんが入ってきた。


「アオ様!目が覚めたんですね、よかった…」


 私は声が出ないので、笑っているとそのことを不思議に思ったのか私に聞いてきた。


「アオ様、声が…出ないんですか?」


 私が頷き、何かを書く真似をすると分かりましたというように、リーンさんも頷き部屋にあったメモ用紙とペンを持ってきた。

 ありがとうございます、という気持ちを込めて頭を軽く下げ、メモ用紙になんでこんなことになったのかを書いた。


「“私は、毒でも死にませんが副作用で声が出なくなったり、歩けなくなったりするんです”そうだったんですね。もうしばらくは、声が出ないんですか?」


“あれからどれぐらい経ってますか?”


「あれから、一週間…アオ様は眠っておられました」


 一週間経ってたのか…。まぁ声は出ないけど、頭はスッキリしてるしね。


「さて、では何か食べる物を持ってきましょうか、今は昼時ですし」


 それに私が頷くと、笑顔で部屋から出ていった。それから少しして、ルディさん達とルーカス王子もやって来た。


「目が覚めたようで、良かったです」

「ほんとほんと、突然倒れた時はびっくりしたよ」


 ルディさんは、相変わらずの無表情で言ってきて、ジミーさんは本当に驚いたという感じで声をかけてきた。とりあえず、すみませんという気持ちを込めて頭を下げておく。


「声が出ないんだってね、さっきリーンに聞いたよ」

 

 リーンさんに会ったのか、ここに来るまでにすれ違ったのかな?

 

 そして、さっきから黙ったまま私を見てるルーカス王子はなんなんでしょう?


「ルーカス王子」

「わ、分かっている!」


 ルディさんが急かすように、ルーカス王子の名前を呼ぶ。そして、ルーカス王子は一度深呼吸して急に私に頭を下げてきた。


「俺を守ってくれて、ありがとう。お前のおかげで助かった」


 ルディさんが、ルーカス王子に謝るように言ったのかと思ってルディさんを見ると、ルディさんは頭を左右に振った。と、いうことは王子が自主的にやってるのか。


 私は、少しベッドの端に寄ってルーカス王子の頭を両手で挟んで、頭を上げた。そしてメモ用紙にまた書き始めた。


“私は、依頼されたことをしただけです。ルーカス王子が気にすることはありません”


 書いたのを見せると、皆さん一斉に顔を歪ませた。皆さん、美形だからその顔すら綺麗なんですけど…。


「毒の量は、どのくらいだったんですか?」


 ルディさんが聞いてきた。


“私でなければ、とっくに死んでいる量です。なんの毒だったんですか?”


「エモ草の毒でした」


 皆さん驚いていたみたいだったけど、ルディさんが応えた。


 それにしても、エモ草か…。あれは冬にしか生えない草だったよね、普通に潰して塗り薬にすればなんの問題もないんだけど、乾燥させて粉にすると毒に変わる草なんだよね。でも、あれは北の方にしか生えない草だと思うんだけどなぁ…。


“それってこの辺では、手に入れることはできないですよね?”


「今、それを探っている途中です。しかし、よく気付きましたね」


“あの時、少しだけ甘い臭いがしたんです”


「そうだったんですか…。気付くことが出来ず、すみませんでした」


 そういって、頭を下げられた。大丈夫ですよ、という風に笑顔を返した。


 エモ草は、いくらミリア様のお父さんであるマーリン侯爵でも手に入れるのは難しいはず…。

 なら、いったい誰が?


「アオ様?」


 あ、また考え込んでた。それがバレたのか、ルディさんにとりあえず今はご自分のことだけ、考えて下さい。と言われて、ベッドで寝るように言われた。


 私を寝かせた後、ルディさん達は部屋から出ていった。

 ベッドに横になると、今まで散々寝てたのにまた眠気が襲ってきてそれに抗うことも出来ず、私はまた眠りについた。




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