誕生日パーティー~ルーカス~
いつもより短いかも、です。
「おい!」
俺は、このジョイール王国の王子だ。今日は、俺の母上つまり王妃様の誕生日パーティーだった。
母上の誕生日パーティーの後、自室へ戻る最中月の姫であり今は俺の婚約者となっているアオ姫が、突然倒れた。
とっさにそいつの体を支えたが、その体が異常に暑い。
「アオ様!」
「おい、ルディ医者を呼べ。こいつ、体が異常に暑い」
「分かりました」
「こいつはとりあえず客間に連れていく」
アオ姫を横抱きにすると、小さな声で何か言っている。
「なんだ?」
「大袈裟、に……しないで」
「お前が体調を崩したことを、か?」
俺がそう問えば、小さく頷いた。
「ルディ、あまり人気のない通路はあるか?」
「はい、こちらです」
「とりあえずこいつが体調を崩したことは秘密に、今、ここにいる俺達だけの秘密だ。いいな」
しかし何故、秘密にしなければいけないのかと思う。ただの体調不良ならば、秘密にすることもないだろう。しかし、この女は大袈裟にするなと言った。とすると、何かがあるのか?
「こちらへ、医者は後から来ます」
「分かった」
客間にあるベッドにアオ姫を寝かせた。さっきから呼吸が浅くなっている。
「これは……」
アオ姫の腕を見ると、所々が青紫色になっていた。これは、毒だな。
「どうかしましたか?」
「医者を急がせろ、これは毒だ」
「毒!?いったいいつ?」
本当にいつだ?あいつは普通に出された食事を食べていたし、飲み物も飲んで……飲み物。
まさか!あの時か!
でも何故、ミリアが持ってきた飲み物に毒が?
「ルーカス王子、まさかミリア様が持ってきた飲み物に毒が?」
「証拠がないが、たぶん。この女は、飲み物に毒が入っているのが分かって俺から奪って飲んだんだ」
「どうして、そんな」
「分からん、だがこのことはまだ誰にも言うな証拠はないから」
そう、証拠はない。
だが、本当に毒ならば調べることになる。
「俺は、1度部屋に戻る」
「はい」
「ルディ」
「なんでしょうか?」
「月の姫について、教えてくれないか?」
「……はい、分かりました」
あいつが何故、俺の代わりに毒を飲んだのかもしかしたら月の姫には毒は効果がないのかもしれない。
月の姫について、教われば何かが分かるかもしれない。
王子は頭はいいんです。ただ恋は盲目で、周りが見えなくなっていただけなんです。
これからは、活躍してくれるはず!
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