孤児院にて
「あ、アオ様ー!」
「アオ様だ」
「皆、久しぶりー!」
私達が孤児院に着くと、ちょうど外で遊んでいた子供達が私達に気付き、走って来てくれた。
「元気そうでよかった」
「当たり前だよ!」
「わたし達が元気ないと、アオ様も元気じゃなくなるでしょ?」
「そうね、皆が元気じゃないと心配になるからね」
「あらあら、急に賑やかになったと思ったらアオ様が来てたんですね」
私が子供達との再会を喜んでいると、奥からここの責任者であるシスターが姿を見せた。
「お久し振りです、シスター」
「来てくださって嬉しいですよ。それに、他にもお客様がいるみたいですし」
「あ、紹介します。ルーカス様とアンドリクス様です」
「突然すみません、アオ姫がこちらを訪問すると聞いて、一度見ておきたかったので」
「今日はよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします。さ、立ち話は疲れますから、中へどうぞ」
シスターに促され、私達は中に入り持ってきていたお菓子を子供達に渡して、私達はシスターが入れたお茶を飲んでいる。
シスターが入れるお茶は、いつも美味しくて私のお気に入りだ。
「はぁ~、シスターのお茶はやっぱり美味しい」
「そう言って頂けると嬉しいです。さ、他の方達もどうぞハーブクッキーもありますからね」
「ありがとうございます」
「頂きます」
それから私に起きたことをシスターに話ながら、お茶やお菓子もつまみつつ和やかな時間が過ぎていく。
「アオ様ー!」
「っ!」
「大丈夫ですか!?こら、突然後ろから抱きつかないの、お茶をこぼしてしまうでしょ?」
「ごめんなさい、シスター、アオ様…」
「ううん、いいよ。お菓子もう食べたの?」
「食べた!凄く美味しかったよ!だから、アオ様と遊びに行こうと思って」
「いいよ、行こうか。すみません、シスター」
「いえ、アオ様さえよければ遊んできて下さい。アオ様が来るのをとても楽しみに待っていたので」
「さ、行こうアオ様!」
「待って待って」
私は、ルーカス王子達にも声をかけてから子供達と一緒に外に出て、来れなかった分の時間を埋めるように遊び尽くした。
遊んでいる間、たまにルーカス王子達のいる部屋の様子を伺うと、笑って何か話しているのが見えて、安心して存分に遊ぶことができた。