お披露目!
パーティー当日
「やっぱり、そういう色も似合うね」
私が来ているドレスは、ラベンダーのような薄い紫から足元の方が濃い紫のグラデーションになっているドレスだ。
たぶん瞳の色に合わせてのチョイスかな?
「髪の毛は、片方だけ編み込みする?」
「そうだね」
「アクセサリーもシンプルな物にしましょうか?」
「よろしくお願いします、リーンさん」
ナタリーのドレスは、タンポポのような黄色のドレスで、腰のところを腰の後ろの方にあるオレンジ色のリボンで絞るようになっている。
「私も編み込みしてもらおうかな」
「じゃあ、私と逆の方にしてもらったら?」
「あ、それいいね!」
「貴女達、久しぶりのドレスアップが楽しいのは分かるけど、そろそろ時間よ」
「もうそんな時間なんですね。アオの正式ではないにしろ、ちゃんとした姿を見せるのは初めてなんですよ?」
そう今回のパーティーは、私がこの世界に来てから初めて参加する社交パーティーなんだ。
依頼を受けていた時も、時々参加してたりするんだけどね。主に情報収集で。普通にスクリプト王国の姫として参加するのは初めてだ。
「普段のアオでいいんですよ。アオは魅力的な女性ということは、わかる人にはわかります」
おばあちゃんは、すでに用意を済ませていて今は私達の用意が出来るのを待ちながら、紅茶を飲んでいる。
「ナタリーがはしゃぐ気持ちも分からなくはないわ。アオ、とてもよく似合っていますよ」
「ありがとうございます」
ちょっと照れ臭いな…。
コンコン
「あら、もうそんな時間かしら?二人とも行きましょうか」
「「はい」」
さっきのノックは、ルディさんが私達を呼びに来た合図だ。
侍女さん達に最終確認をしてもらって、私達は部屋から出た。
そこには、ルディさんはもちろんルーカス王子達もいた。
「あれ、ルーカス王子達は先に会場に入っているはずでは?」
「……前は、エスコートしなかったからその代わりだ」
あぁ、一番最初に私がここに来た時の…。
「あら、それじゃアオのエスコートは頼みましたよ、ルーカス王子」
「はい」
「僭越ながら、私がナタリーヌ姫のエスコートを努めます」
「よろしくお願いします。ルディさん」
「それじゃ行きましょ」
おばあちゃんは、側近である旦那様にエスコートされている。
会場に着き、おばあちゃんを先頭に会場に入っていく。
「……そんな色も似合うんだな」
「ありがとう、やっぱりナタリーさすがだな」
「ナタリーヌ姫が選んだのか?」
「そうだよ。だいたい、パーティーとかのドレスとかはナタリーに選んでもらってるんだ。というか、私が口を挟む隙がないんだよ…」
「大変そうだな」
「ルーカス王子、スクリプト王国 アオ様。ご入場です!」
「さ、行くぞ。気合い入れていけよ。ここの奴ら、大半はアオを見るために出席してるからな」
「この結果で、私の評価が決まるからね。言われなくても、気合いは入ってる」
「ならいい。行くぞ」
私が頷き、歩き始める。