表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

第4話 『冒険者ギルド強盗』をやっつけてみる。

第4話 『冒険者ギルド強盗』をやっつけてみる。



「冒険者ギルド強盗? なんだそれ?」


「そのままの意味よ。冒険者ギルドを狙った強盗」


「……まあそうなんだろうけどさ~」


 たしかにギルドの内装を銀行みたいだとは思った。


 思ったが、だからって銀行と同じノリで強盗がいるというのは……


「こういうことって、よくあることなのか?」


「ええ。よくあるわ」


「だよな~。……え? よくあるの?」


 だって、冒険者ギルドだ。


 冒険者たちが常駐はしてないまでも、頻繁に出入りしているはずである。


 警察署に押し入るようなものだろう。


 たぶん。


 リタがため息をついた。


 彼女も俺と同じ思いのようだった。


「ここの金庫には、クエストの報酬のためにまとまった額があるはずだから、それを狙ってのことなのでしょうけどね」


「ふむ。よっぽどの考えなしのバカなのか。よっぽど腕に自信があるんだろうな」


「両方ではないかしら」


「なるほどな~」


 と。


「おいおいおい! テメェら! なに呑気に会話してやがんだ! ああ!?」


 冒険者ギルド強盗の1人が俺たちに詰め寄ってきた。


 袖を破った上着を来た、いかにもチンピラ風な男である。


 手にした分厚いナイフに光をギラギラと反射させていた。


 俺はヒラヒラと手を振った。


「あ、お構いなく~」


「おう! わかったぜ! ――ってなんでだよ!?」


 俺の巧みな話術で一度は持ち場に戻りかけたソイツだったが、くるっときびすを返すとビシッとツッコミを入れてきた。


 大阪人なのかな?


「……うーん。あんまりやる気、出ないんだよなぁ」


「ハぁ? テメェ、なに言ってんだあ?」


「美人のお姉さんいないしさぁ……」


 俺はカウンターで刃物を突きつけられているオッサンを見て、がっくりと肩を落とした。


「なんで美人のクエストお姉さんじゃないんだよ……」


「残念でしたね。ご主人様?」


「なんでお前はちょっと嬉しそうなの?」


 リタを見る。


 ふいっとそっぽを向かれた。


 なんなの? このかわいい幼女。


 俺が幼女に興味ないのが悔やまれるところだ。


 宝の持ち腐れってやつだろう。


「おいテメェら! いい加減に――」


 額に青筋を浮かべたチンピラの言葉が途中で止まった。


 なんてことはない。


 俺が強くにらみつけたからだった。


 それだけでチンピラ男は硬直し、ガクガクと震えだした。


 腰を抜かしてへたり込み、失禁する。


 泡を吹いて気絶した。


「……あれ? もう終わり?」


 その反応に俺自身が驚いていた。


 まあ面倒がなくてよかったけど――と。


「ガハハハ! ガハハハ! 良い! 感じるぜぇ! 強いヤツの気配がするッ!」


 野太い声は、ギルドの二階――天井から聞こえてきた。


 次の瞬間。


 天井が割れて、上半身裸で筋骨隆々な巨漢が俺の頭上に降ってきた。


 だが、普通の物語なら奇襲に驚く場面なのだろうが、俺は冷静だった。


 落下しながら巨漢の振り下ろしてきた棍棒を片手で止めて軌道をズラすと、床に軽く叩きつけた。


 巨漢は動かなくなった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ