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いつもの変わらない日常

 「ジリリリリリリリリ」うるさく目覚まし時計が鳴り響くなか重たげな体と瞼を必死に動かし目覚ましを止める。

「ん〜っ‥」伸びをして体を少しでも動かそうとして体を起こして動けるようにする。

 俺は東京の小さい街に住む17歳小川仁おがわひとし東京と言っても埼玉寄りの東京にしては田舎街である。

「あ〜眠い‥。暑い‥。」現在朝6時である。夏場の朝はとてつもなく暑い。もう8月の半場夏も終わりが始まるはずなんだが今年はやけに暑い。

「あ、やっべ!もう行かねーと!」俺は慌てて荷物をリュックに入れ、着替え、朝食代わりに食パンを噛りながら家を慌てて飛び出す。

いつもと何一つ変わらない階段の踊り場から見える景色、太陽が地上を照らしている。階段を降りると駐輪場へと走る。

「ちょっと飛ばすか‥!」自転車を力強くこぎ始める。自転車に力を入れすぎて自転車がキシム音が聞こえてくる。この音もいつもと同じ街の風景も、太陽が映しだす富士山すらなにも変わらない。

自転車をこぐこと20分行きつけのセブンイレブンへと着く。

「良かった〜。時間まだあるわ〜」息を切らせ汗を滝のように流しながらセブンイレブンへと入っていく。

「涼しいぃ〜生き返るぅ〜」体温を上昇させていた俺の体に冷房の効いた冷たい風が体を冷やす。

いつものドリンクコーナーでいつものブラックコーヒーを買い、また暑い外に出る。

「あと、15分は余裕だな〜」俺は携帯の時間を見て呟きながら駐車場にある小さな日陰で腰を下ろし煙草を取り出す。

未成年が煙草なんか吸うなんて固いこと言うなよ?

ため息まじりに肺に入れた煙草の煙を吐き出す。俺の日常がこうして1日また始まる。

「さて、そろそろ行きますかな。」俺は煙草を灰皿へと入れ、自転車に再びのりこぎだす。セブンイレブンからほんの2,3分の所に俺の今働いている職場がある。

暗証番号を入力してオートロックを外していつものように中にはいるとそこにはいつものおばちゃんがいた

「あ、おはよう小川くん。」

「おはようございます。萩野谷さん」俺の出勤時間は朝7時。萩野谷さんは6時半から出勤して準備をしてるここのベテランだ。

更衣室で着替えて出勤する前に携帯を開く、

「愛理、行ってきます。っと」彼女にラインを送る。そのまま携帯をロッカーにしまい出勤。


「お疲れ様したー。」午後1時過ぎ俺の出勤は終わり帰り支度を始める。携帯を開くと愛理から鬼のようにラインと電話がきていた。

「っち‥あの馬鹿‥バイトだってのに。」俺はささっと着替えて正面で入り口から職場を後にする。

店を出たと同時にマイク付きイヤホンを耳に付け愛理に電話をかける。

「もしもし?なんで返信くれないの?」愛理は不機嫌そうな声で質問をしてきた。

「はぁ?バイトだって昨日言ったろ?行ってきますとも送ったはずなんですけど?」俺は怒りながらそう答えると拗ねたような声で唸り始める。

「だって〜寂しいんだもん〜」いつものように駄々をこね始める愛理。

こいつは22歳になってもぐぅたらで仕事もせず家でゴロゴロしている甘えん坊のダメな彼女だ。

「お前も少しは真面目に生活しろよ。」呆れた声で俺は説教をする。これももはや日常になっていた。

俺と愛理が付き合い始めたのは今年の6月なんやかんやでもう2ヶ月たっていた。

しかし‥俺はこの彼女のダメダメさに等々限界が来ていた。

「あのさぁ愛理〜。ほんとに仕事しろよ。いい加減そのニート生活辞めろよな。」この台詞ももう何度目なんだろう。こいつには言ってもわからないのを理解しててもつい言ってしまう。

俺と愛理は遠距離恋愛で愛理は群馬に住んでいた。近場であったら俺が毎日小言ぶつけてやるんだがそうも行かない。

「だって〜。怖いんだもん〜。」過去のトラウマから仕事ができないでいた。やはりこいつには仕事を求めるのはやめるべきなのだろうかと諦めたくもなる。

「そんなこと言ってても始まんねーだろが。まったく。」ため息を吐きながらそう答えた。すると愛理は

「あ、ごめん。もう出かける用事あるから行ってくるね?」俺はなぜかこの台詞が頭の中で引っかかった。

「お袋さんとか?」俺は確認をしときたくてそう質問した。

「うん。まぁ、そんなところかな〜」愛理の曖昧な答えたで凄く不安になる。

けど、俺は愛理を信じている。だから大丈夫。

「気をつけて行ってこいよ〜。」俺は愛理にそう言うと

「はいはい。わかってるよ〜。それじゃあまた後でね。」愛理はそう言い残し電話を切った。

「大丈夫なはず。絶対大丈夫だよな‥」不安は消えなかった。


その日の夜、8時過ぎになり愛理から返信が来る。

「ごめん。携帯の電源切れちゃって、充電器も持ってってなかったから充電できなかったー。」そうラインに書かれていた。

俺は愛理の声が聞きたくて電話をかけた。

「あれ、通話中?」ラインでかけたのだが他の先客がかけていた。それっきり返信が途絶える。

夜11時過ぎになりやっと着信が来る。俺はマイク付きイヤホンを耳に付けて電話にでる。

「なんでさっき出なかったんだ?」俺は気になっていたことを質問してみた。すると愛理はまた

「うん。ちょっと友達からね。」曖昧な答えで返ってきた。

ラインのグループのトークを見ると他の男と電話していたことに今更気づく俺。

「また、他の男と電話してたのかよ。やめろって言ったじゃねーかよ。」俺は独占欲が強く嫉妬深い、ちょっとしたことですぐヤキモチを焼いてしまう。

「別にただの雑談なんだし良いじゃん別に〜」愛理のこの態度に凄く俺は苛ついて等々我慢の限界を超えた。

「愛理。俺等少し距離置かないか?」俺は別れるでわなく距離を置くことを伝える。

「っえ?なんで!?」愛理は驚きながら慌てた声で聞いてくる。

「俺がどんなにお前のわがまま聞いても、愛理は俺のわがまま聞かないだろ?仕事もしないで遊んでばかりだし。それに‥お前の周り男が多すぎて困る。電話とか会ったりとか嫌なんだよ。」気づけば俺は今まで言わずに我慢していたことが全て口から出てしまっていた。

「二人きりで会ったりしてたら何されるかわかんねーんだぞ?男に勝てるほどの力が愛理にはねーだろ?」嫉妬と怒りと悲しみが心の中で渦巻いていた。

「‥‥うん。わかった‥私はどうすればいい?どうすれば距離をを戻せるの?」距離を置くことを受け入れて置いた距離を戻す方法を聞いてきた。

「少なくても今の生活を少しでも改善してほしい。仕事するとか家の家事手伝うとか、何かしらして自分を磨いて欲しい。」俺はこれから必要になってくることを愛理に伝える。

「そう。わかった。やってみる。」愛理は寂しそうな声でそう答えた。

そのまま電話を俺は切った。

電話を切った後ラインが来ているのに気づく。

「あれ、こいつたしか‥」半年ほど前に愛理が入れてくれた暇人が電話相手を探すグループのメンバーにいた麻奈って奴だった。

「なになに?これを送られた人は好きな人や友達に15人以上に送ると言いことがあります。」よくある拡散文だった。まぁ送られてきたのだから送り返すのが礼儀ってやつなんだろう。文をそのままコピーをして麻奈に送り返す。

「半年も連絡やりとりしてなかったのに急にどーしてこんなの送ってきたんだ?」不思議に思いそのことを聞いてみた。

「なんとなく?かな?ちなみに愛理には送ってないんだ(笑)」なんで愛理に送ってないんだ?愛理とあんなに仲いいのに?また、不思議に思い

「なんで愛理に送んねーの?あんなに仲いいのに。」そう質問をすると想定外の返信が来てしまった。

「私、愛理嫌いだし。」恐らく麻奈は前に彼氏を略奪愛されたことを根に持っているのだろう。そう考えていると追加文が飛んできていることに気づく。

「自分勝手だし。わがままだし。」なんか酷い目に遭ったような言い方をしている。

しかし、たしかにそうである。自分勝手で俺のことを考えてくれない。気づくと麻奈と俺は愛理の愚痴話をしてしまっていた。

その時、麻奈から

「ねぇ、久々に、電話しない?」


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