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メカニカルマジック  作者: カップヤキ
第一章:イロードパンデミック
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浸食への抵抗

急に時が動き出したように悲鳴や悲痛な叫びが校舎中に響き渡る中、外に出て様子を確認しにきていた講師たちも我に返りこの惨劇を産んだ張本人へと必死な形相をを向ける。

「こいつ、なんてことを!」

そういって一人の講師が走り出しロボットへ魔法で攻撃する、その講師が使ったのは炎を相手に向かって飛ばす単純な魔法だった。

単純な魔法だがそれでも当たれば人間などすぐに焼き尽くすほどの攻撃で、普通のロボットごときならひとたまりもないだろう。

狙われたロボットは避けようともせずそのまま左肩のあたりに受ける、大きさ的に戦闘不能にはできないが左腕を使用不能にはできるだろうと攻撃した講師も考えていた。

それに合わせて残りの講師たちも前へと走り出す、がしかし突然前方にまばゆい光が照らしたとたん後方に位置した講師一人が突然消滅した。

最初に攻撃をした講師は足を止め驚愕の顔をしながら視線をロボットに向ける。

そこには左腕を後方にいた講師の集団を向ける姿が映っていた、攻撃が当たった部分には装甲が軽い焦げ跡を残す程度でほぼ無傷だった。

ロボットの左腕は銃のような武器が取り付けられている、この武器で攻撃したのだろう。

しかし、あまりにその威力は強力すぎる。着弾地点の地面はどろどろに溶けその周囲はまだバチバチと静電気のように光っている、そこにいた講師の残骸ひとつ確認することはできない。

「なんだこれは! 炎...いや電気なのか!?」

その場にいた誰もその攻撃を理解できないでいた、わかる事ただひとつかするだけでも死ぬだろうという現実だけだ。


「フンッ、害虫ごときが調子に乗るな。」

そういって視線を足もとまで近づいた最初に攻撃した講師に向ける。


ロボットの頭が足もとにまで近づいていた講師へと向く、視線をむけられた講師は恐怖に顔を歪めながら横に走って逃げだす。

「くっくるな、化け物!」


「おいおい、そんなに足もとをちょろちょろされるとうっかり踏んでしまうではないか。」

そういって口元を不気味に歪めてロボットの足を操作する、ただ足を上げて下す。

それだけの単純な動作だった、たったそれだけの動作で一人の人間は命を落としたのだ。

下された足もとに土埃が舞い上がる、足もとにいた講師の安否を確認できないが絶望的だろう。

「ほら、いわっこっちゃない。 ハッハッハッハッ!」


「この野郎ッ!!!」

一人の講師が勇敢にもその間も行動しておりロボットの背後まで移動し、魔法を発動させロボットに向けて跳躍する。

「のろまめ、これでどうだ!」

飛びかかる講師の両手から電気がビリビリと発生しだす、ロボットに張り付き直接電流を流すつもりなのだろう。

その講師の思惑通りロボットは後ろを振り向く様子はない、さすがに真後ろでは腕で攻撃することもできないだろう。


「害虫はおつむもたりないようだ。」

ロボットは動き出す、足ではなく足より上の胴体のみが。


「ば、バカな!?」

ロボットは足はそのままに足から上の胴体だけを回転させて背後に回っていた講師のほうへ振り向く、そして右腕の青白く光る刃を飛びかかる講師の正面に向ける。

飛びかかった講師はそのまま刃に向かって進み、「ジュッ」っと音を立ててこの世から消えて行った。



その様子をグラウンドの端で見ている二人がいた、コータとシナの二人である。

「なんなんだよあいつは!」

「わかりません、でも戦っちゃいけないことくらいはわかります。」


その二人をロボットに乗る男もモニターの端に視認する。

「ほー、かわいらしい害虫がいるではないか。」

ロボットはそのままコータ達に向けて左腕の銃を向ける、それを見たコータは本能的に逃げることを選択した。

隣のシナを抱え魔法発動し自分の足を強化する、そのまま考えることもせず横に向かって思いっきり飛ぶ。

その後すぐに轟音と共に先ほどまでコータ達がいた場所には攻撃が直撃する、少しでもコータが考えたりして足を止めていれば二人とも跡形もなく消滅していただろう。

コータはそのまま勢いを殺せず地面にシナをかばうように滑り込んだ、そしてすぐに起き上がりさっきまで自分たちがいた場所を確認し嫌な汗が全身から噴き出る。

「おいおい...こんなの冗談じゃないぞ!」


「っち、すばしっこい害虫だ。」

男は、驚いて動きが止まっているコータに向けて左腕の銃を向けようとする。

がその背中に攻撃魔法直撃する、さきほどまで戦っていた講師たちである。

攻撃は当たったものの装甲に少し傷をつける程度で大きな被害はない、だが講師たちはもう驚いたりはしない、先ほど嫌というほど現実を見せられたのだから。

「わらわらとうっとうしいんだよ、害虫はおとなしく駆除されろってんだ!」

男は少し怒りだしコータ達を忘れて背後の講師たちのほうへ向き両手の凶器を振るう。


「今のうちに校舎のほうへ避難しましょう!」

そういってシナが立ち上がりコータへ手を伸ばす、それにコータはうなづき手を握り走り出す。






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