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メカニカルマジック  作者: カップヤキ
第一章:イロードパンデミック
3/6

浸食開始

不定期更新ですのでまったりお待ちください

廊下でぶつかった少女とともに中庭に移動したコータは、中庭に設置されているベンチに腰掛ける。

中庭に移動する間に自己紹介をすませており、彼女の名前はシナというそうだ。


「それで、この食パンをどうしようか。」

コータは食パンを取り出し、シナに差し出す。

「それはですね、これを使います。」

そういってシナはポケットから板チョコの欠片を取り出した、彼女のおやつだろうか。

シナは取り出したチョコを食パンの上に載せて、空いているもう片方の手で魔法を使用した。

するとシナの指の先から炎が現れそれをチョコに近づけ溶かし始め、ある程度溶けるとパンを二つ折りにしてチョコを挟んだ。

「はい、これでチョコパンの完成です。」

そういってシナはコータに完成したチョコパンをさしだす。

「ほー、なるほどそういうことか。」

コータはチョコパンを受け取り、シナは残った食パンとチョコでもう一個同じものを作りだす。

シナが作る様子を見ながらコータは関心したように言う。

「すごいな、パンやチョコを焦がさないように火加減を調整するなんて。」

コータが褒めるとシナは少し照れたような感じに

「単純に私の力じゃこの程度の火力しか出せないだけなんですけどね。」

現在の魔法技術では細かい精密な動作は非常に難易度が高く、単純に火を出して適当に燃やすだけなら割と簡単なのだ。

そういう意味からいえば、シナの精密な魔法は規模は小さいものの中々高い技術だといえよう。


そうしてシナと二人で世間話をしながら昼ごはんをとっていると急に日が陰る。

普段ならただ雲で日が隠れただけだろうと気にしないが、今のは急に隠れてすぐに戻るのを数回繰り返すものだった。

コータが不思議に思い上を見るとまた太陽に重なるように影ができ、それが徐々に大きくなっていく。

「なんだあれは...近づいてきてる?」

そういっている間も影は大きくなりそれと同時に異様な風切り音が鳴り響く。

シナも異変にきづき立ち上がりオロオロしだす。

二人がうろたえる中その影はついに地上へと降り立った、その衝撃であたりに爆音と突風をまき散らす。

あまりのことに立ち上がっていたシナは立っていられず転んでしまう。

影が落ちたのはどうやら二人が居た中庭から校舎を挟んで反対側にある校舎正面の広大なグラウンドの上のようだ、二人のいる中庭からは校舎が邪魔でなにが落ちてきたのかを確認することはできない。

コータは驚きを隠せない中まずは転んだシナを助け起こし無事を確認する、シナは特に大きなケガはしたないようだ。

「いったい何が起きたのでしょうか。」

「わからない、でもものすごく嫌な予感がする。」

「ここにいても仕方ないし、何があったのか確認しに行こう。」

そういってシナと共にコータは影が落ちたグラウンドのほうへと向かう。



一方グラウンド側では何事かと校舎の廊下の窓に大量の生徒が張り付いていた、その窓から見えるのはひどい土埃の中グラウンドに何か巨大な物があるということだけだ。

土埃が少しずつ晴れて粋いきそこに現れたのは巨大なロボットだった。

高さは校舎の三階より高く、足は四足で胴体から上は人型の奇怪な外見になっている。

それを窓から見た生徒たちはざわざわと騒ぎ立て、学園の講師たちは確認のために外へと走る。

そんな様子をロボットの中からまるで虫をみるような目でモニター越しに見る男がいた。

「虫どもが何か騒いでいるようだな、フンッわらわらと目障りな。」

グラウンドにいたロボットが動きだし足を動かし校舎のほうへと向かう、恐怖を感じた生徒は窓からはなれていくがそれでも多くの生徒が窓に張り付きその様子を見つめている。

ロボットがある程度校舎に近づくと右腕を横に広げる、その右腕には刃物のような武器が取り付けられているがその長さは腕を伸ばしても校舎にまでは届かない長さだ。

その時ちょうど外の様子を確認しに出てきた講師たちがグラウンドへとたどり着いた。

出てきた講師たちも驚いた顔をしながらその様子をみて固まる、そしてその直後ロボットの右腕についている刃が青白く光りだし刃の先端が伸びる。

講師たちがまさかと思った時には時すでに遅かった、ロボットはそのままリーチが伸びた右腕で校舎の二階を横に切りさいた。

二階の窓からその様子をみていた生徒の目には青白い光が焼付いただろう、その生徒たちがそれ以降他の光を目で見ることはないのだから。

あまりの光景の中あたりは静まりかえる、その中ロボットの中では男が一人笑っている。

「ハハハハッ、害虫は駆除しないとな!」

男の笑い声は決して外へもれることはなく、外にいる者たちには目の前のロボットが何を考えているかなど想像することができない。

何をしでかすかわからない、それゆえに恐ろしい。

我を取り戻した一人の生徒が恐怖に駆られて叫び声をあげる、それを合図にあたりは地獄絵図と認識された。


ロボットは横に払った腕を引き戻し首の前で横にスライドさせる。

「さあ、害虫駆除の始まりだ!」

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