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幕間

予約投稿、したつもりだったんです……。

知り合いに

「更新されてねぇじゃねぇかボケェ」

とメールをもらっていながら、気付いたのがつい先ほどで……。


うっふふふふ……。

次に会ったときにどんな罵詈雑言を浴びせられるんだろう(((゜Д゜;)))

手!

手が出なければ…って足もダメd(


 

「セラ!」

 パーティー会場の一角、分厚いカーテンで隔てることのできるその場所の入口でわたしの名を呼ぶ声に、見ればフロルとお祖父さま、それにバーンとなぜかルットフェッツェル公爵さまと公爵夫人さまの姿が見えた。ここに来る前の王妃陛下の言葉から、もしかすれば国王陛下にお会いするかも知れないと思っていたが、どうやらすでにこの場を立ち去っているらしくそのお姿は見えない。思わず強張っていた肩から力が抜ける。

「兄さま……」

「セラ、大丈夫かい?顔色が良くないようだけど…さあ、こっちにおいで。座って少し休もう」

 そう言ってフロルは鮮やかなリードでわたしを近くの椅子へと導く。

「少し待っててね。すぐに飲み物をもらってくるから」

 にっこり微笑みながらわたしの頭をひとつ撫でた兄はすぐさま踵を返して控えの間の奥へと姿を消した。この時ばかりは常日頃とても残念な長兄が頼もしく見え、自分が相当疲れているのだと自覚するとともに、ずんっと体が重くなったような感覚に腰かけた椅子の背もたれに体を預け、腹の底から深く長く息を吐き出す。それを見た皆が心配そうに声をかけてくれるが、正直、今はその受け答えをするのも億劫だ。

 ゆるゆると視線をさ迷わせていると公爵夫人さまとシアンさんが小さな声で会話しているのが見え、わたしが見ているのに気付いた公爵夫人さまがこちらに顔を向けながらにっこりと微笑まれる。

「無理をする必要はありませんわ。少し休むといいですわよ」

 そう公爵夫人さまが言ったのと同時に襲う睡魔に抗おうとするがこと叶わず。わたしはゆったりと意識を手放していた。






 ※※※






 眠ってしまったセラフィローネをシアンが丁寧に抱き上げ控えの奥にあるゆったりとしたソファへと横たえる。するとどこから持ってきたのか、ハウンバート男爵が薄い掛布をその上に着せかけた。それを横目にシアンはセラフィローネの脈を取り、次いでその小さな口の中を確認する。

「…特に問題はありませんね。極度の緊張からなる疲労でしょう。口に入れるものも逐一確認してありますが毒物やそれに準ずるものは含まれていませんでしたし、体質に合わないものもなかったようです」

 「しばらく安静にしていれば問題ありませんよ」と続いた言葉にルットフェッツェル公爵夫人は手にしていた扇を音を立てながら閉じ、「そう」と安堵した表情とともに呟く。しかしすぐにその表情をやや陰らせ、

「それにしても、この子がこれほどまでとは思いませんでしたわ」

「それは全員の総意ですぞ、姉上」

 席に着き、ウォルスリーブ家当主リグファーバルは心底疲れたように吐き出しながら言う。その言葉にその場の全員の視線がリグファーバルへと集まる中、当の公爵夫人だけが珍しいものを見たような表情をする。

「あら、わたくしを姉と呼ぶとは珍しい。何かありまして?」

 可愛らしく小首を傾げる公爵夫人だがその目は真剣だ。対するリグファーバルは再度疲労の濃い溜め息を零すとその視線を戻って来たばかりのフロールクスへと向ける。

「フロル」

 名を呼ばれた本人はその場の雰囲気を察してか背筋を正し、彼が持っていたティーセットはシアンが受け取り手早く茶の用意を始めた。

「セラについての報告をしなさい」

 端的に告げるリグファーバルに対してフロールクスはぴくりと小さく反応した。

「…それは、どういう意味でしょうか?」

 微かに警戒心を見せる彼の態度にリグファーバルは、



「言葉の通りだ。お前が…お前たちが執拗に隠そうとしているその真実をこの場で明かせと言っている」






 ※※※






 ふわふわとした感覚の中でわたしは浮かんでいるらしいと気が付いた。それと同時に、ああ、懐かしい感覚だ、と思わず頬が緩む。

 まぶたさえ動かすことはできないが、それでも不快感や恐怖はなかった。ただひたすらに穏やかで、優しくて、そして心寂(うらさび)しい。


『ごめんなさい』


 いつからそこにいたのか、姿の見えないその誰かがそっと静かに謝罪する。


『ごめん。ごめんなさい。本当に…本当にごめん』

「………あなたは謝ってばっかりだね」


 そう声をかけるが声は聞く耳を持たずただひたすらに謝り続けるのに以前と同じかと思いきや、声は一際悲愴感(ひそうかん)を乗せて言う。


『本当は…本当は違ったの。あなたじゃなかったんだ。けれど、間違えてしまって…。あなたが“彼女”と同じ“色”をしていたから……』


 再度繰り返される謝罪の声は徐々にぼやけて曖昧になっていく。




 緩やかに意識が浮上してくるのにそっとまぶたを持ち上げた。すると視界の端、見上げる位置に公爵夫人さまとシアンさん、それにハウンバート男爵さまの姿が見えたが皆同じ方向を見てそれぞれが好奇心、呆れ、苦笑を浮かべている。一体なんだろうかと気怠い体を動かして同じ方向に視線を向け、寝ぼけていた頭が一瞬で覚醒した。

「に、兄さま!?」

 そこにはバーンの胸ぐらを掴み、微かに体をも持ち上げている長兄の姿があった。フロルにそれほどの力があるのにも驚いたが何よりその光景に極限まで混乱する。しかしわたしの声にフロルが驚いたようにこちらを見たとたん、その手から力が抜けたのか、バーンの足が地面を捉えた。

 思わずほっとするわたしをよそにフロルは駆け寄ってくると目の前で膝を突き、情けない表情で顔を覗き込みながらわたしの頬を両手で包み込む。

「せ、セラ!? 大丈夫?!どこか苦しかったりおかしなところはない?!」

 その必死の形相に思わずドン引きしたわたしを誰が責められようか。

「少し疲れて体が怠いですけど、これといって不調は感じませんよ?」

 なぜそんなことを聞くのかわからず首を傾げながら言うとフロルは探るようにわたしの目を覗き込んでいたが、しばらくして心底ほっとしたように安堵の息を吐き出した。それに随分心配をかけたことに思い至り佇まいを直してぺこりと頭を下げた。

「ご心配をおかけしたようで申し訳ありません」

「……本当に心配したんだからね?」

 言いながらフロルはそっとわたしを抱き締める。そしてとても小さな、わたしにしか聞こえないくらいの小さな声で、


「もう、嫌だよ。僕から大切な人を奪わないで……」


 震える、懇願するような言葉とともに抱き締める腕の力が強くなった。



次回が説明回になりそうなのでつなぎとしての話なので内容がないですはい。

なのでタイトルがむっちゃテキトーです。

意味などありゃしません!

申し訳ない!


つ、次はちゃんと投稿するのでご勘弁をっ!!


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