表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩集

消去

作者: 立春

消去


突然消えてしまいたくなる

けれど、それを誰に言っていいのかもわからない

私には、それを言える人がいない


哀れな人、哀れな人

親しいはずの友も避けて

一体何を怯えているのか

もっと本当のことを言ったらいいのに

哀れな人、何も言えない


突然、消えてしまいたくなる

それも本当は嘘ばかり

ゆっくりと、消えてしまいたくなる

それも本当は嘘


病気になってしまえばいい

それで苦しんでいる人もいるだろうけれど

総てを自分以外のものの所為にして

何もしないまま

このままで

消えてしまいたくなる


消えるというのは本当に良い言葉だ

死ぬことの痛みも悲しみも含まない

生まれたこと自体を消して

出会ったことを消して

私のことを消してしまいたい


この世界に何も変化を及ぼさず

はじめから居なかったように

消えてしまいたくなる

違う、消えてしまいたい


けれど私は存在している

私は今、存在している

どうして存在しているのだろう


存在していなければ苦しまない

存在していなければ楽しめない

けれど快楽は一瞬

後悔は永遠、長い夜に語りかける


消えてしまいたい

それは、私だけでもいい

私の中から私を消していしまいたい


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 初めまして、義友です。 記憶も存在も消すことなんて不可能だから長年悩んで出した結果、「悩みこそ自分自身なんだ」と思い、辿り着きました。 むかし、自分が考えていたことだったので感想を書いた…
2013/04/15 23:00 退会済み
管理
[一言] 人の形は消える事が出来ても、その人の残したものまでは消える事は出来ないでしょう。 ふと生まれなければ良かったなどと思う事が有ります。でも、生まれたからには生きて行く勇気が必要ですね。 そんな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ