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【白でも黒でもない】15

 野々村は冷静だった。

 駆け込んできた朝陽と藍美を面談室に通した。泣いている藍美と俯く朝陽を残し、所長室でまだ仕事をしていた倖田のもとに報告に行く。

「ふうん。そうか」

 倖田は所長室の机に頬杖をつき、野々村の報告を聞いた。野々村は「ええ」と頷いた。

「藍美は帰りたくないと言っているので、ひとまず東側アパートの空き部屋を割り振ろうと思っているのですが」

「うん。いいんじゃないか」

 倖田の元気がないように見えたので「どうしました」と尋ねる。

 聞かれた倖田は少し考える素振りをして「甘いものが足りないのかもしれない」と野々村にウインクをした。

「僕の冷蔵庫からお取り寄せプリンが消えていたのですが」

「そうなんだ。それは災難だったねえ」

 倖田はわざとらしく同情して見せた。

「一か月待ちで、ようやく手に入ったのですが」

「へえ。どうりで美味いわけだ」

 野々村はこほん、と咳ばらいをした。

「大変残念です」

「だけど、まだあったみたいだけどねえ」

「全部味が違うんです。なくなっていたのは僕が一番食べたかったキャラメルプリンでした」

「へえ、そうなんだ」

 倖田は野々村から視線を逸らした。

「今度から、冷蔵庫に鍵を付けようと思います」

「いやそんな」

 倖田は立ち上がりかけて、「あ、いや」と座った。

「そこまでする必要はないよ。きっと犯人も反省している」

「だといいんですけど」

 野々村は「では」と所長室を後にした。

 横を一緒に歩く卵型の機械(ロボット)が黄色い点滅で野々村に意思表示をする。

「問題ない」と言い、その頭頂部に右手を置いた。

 卵型の機械(ロボット)は点滅するのをやめ、野々村の横を同じ速度で移動する。

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