表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

▷恋愛シリーズまとめリンク

あなたが欲しい

掲載日:2026/02/22

「さあ、こっちへ来てくれ」


俺が手を伸ばすと、彼女は妖艶に微笑みながら指先でそれをかわした。

「まだダメ♪ 約束の物を渡してから」


「ほらっ、頼まれてたもんだ」

俺が差し出した包みを、彼女は「カサカサ」と愛おしそうに開く。

「あ~、これよ、これ♪」


「なっ! あいつと違って、俺は約束を守る男だ。さあ、早く――おい、何してんだ?」

彼女は包みの中の黄金の液体を、迷わずグラスに注ぎ始めた。


「飲むのよ♪ スパルタの砦からあなたが命懸けで盗んできてくれた、このアムブロシアを」

「飲むって……話が違うじゃないか。これは二人の将来のために――」


「ふふ、あなたと素敵な夜を過ごしたかったから、ちょっと試したのよ♪」

彼女の誘うような瞳に、俺は毒気を抜かれた。

「……ったく、困った女だ」

「嫌いになっちゃった?」

「とんでもない♪」


俺はパンの皮で汚れた手を拭い、彼女が注いだグラスを受け取った。


「トットットット……」


「さあ、どうぞ♪ あなたの為に、塩気の効いた焼き菓子も作ってきたのよ」

「嬉しいね。……ん、旨いな。これなら酒が進みそうだ。……おい、水はないのか?」

「そのままぐっと♪ 男らしいところ、見たいの」


「…………お~け~。……ゴクッ、ゴクッ」


喉を焼くような熱さ。さすがは神の酒。視界が急速に歪んでいく。

「あ~、やばいな……これ以上飲んだら、夜の楽しみが……」

「飲んで♪ 飲みなさい! ねっ♪」


俺は彼女の気迫に押され、意識が遠のく中で最後の一滴まで飲み干した。


………………。


「……こ、ここは? 拘束……!?」

目が覚めると、俺は寝台に縛り付けられていた。


「あら、目が覚めたの? 食事は静かに済ませたかったのに……残念」

「お、おい……冗談だろ……?」


彼女の口元から、二本の鋭い牙が音もなく伸びる。

「ふふふ。まずは、首にキスしてあげるわ♪」


「よせーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」


ガブッ!!!!


「ジュル……ゴク……ゴク……ゴク……」


俺の血管を流れる、神の酒で完璧に味付けされた極上の血液。

彼女は悦びに浸りながら、真っ赤な舌で唇をなぞった。


「はぁ~♪ アムブロシアで仕上げた男の血は……最高ね♪」


(完)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ