虹色の雪、希望のきらめき
ユキの心で燃え上がったお母さんへの愛と、諦めないという決意の熱は、オリオンの青い光と一体となり、一つの、強い光の塊となった。
その光が、目の前にそびえる巨大な銀色の氷塊(ユキの凍った希望)を優しく包み込む。
キンッ――高い、しかし美しい音が響き渡った。氷塊は、粉々に砕け散った。
砕けた破片は、冷たい銀色ではなく、無数の虹色に揺らめくシャンパンゴールドの粒となって、力強く、星屑界の空へと舞い上がっていく。
昇りつめた光の粒は、空の最も高い場所で弾けた。
『きらきら』『きらきら』。
それは、ユキが今まで見たどんな星よりも、イルミネーションよりも、暖かく、優しく、そして、生きる力を与えるような希望の輝きだった。
――そして、その輝きは、星のようにキラキラ輝く虹色の雪となって、星屑界全体に降り注ぎ始めた。
ヒュゥ……。
今まで冷たい「シャリシャリ」という乾いた音を立てていた星屑は、この虹色の雪に触れるたび、一つ、また一つと、暖かい光を取り戻していく。乾いた音は消え、世界は静かで温かい雪が降り積もる音に包まれた。
「これで、もう大丈夫だ」
オリオンは満足そうに目を細めた。
「君の希望が、多くの凍りついた光を救った。諦めない限り、君はもう冷たい星屑を捨てることはない」
ユキはオリオンを強く抱きしめた。
オリオンの毛並みの温かさと、青い星の砂のような輝きが、ユキの心に永遠に刻み込まれる。
「ありがとう、オリオン」
ユキの体が再び強い光に包まれ、オリオンの青い輝きに見守られながら、現実の世界へと戻っていった。
ユキが自分の部屋で目を開けたとき、窓の外は依然として冷たい冬の夜だった。
しかし、もうユキの心は凍えていない。
ユキはすぐに立ち上がり、病院へ向かった。
お母さんの病室。眠っているお母さんの手を、ユキはそっと握りしめた。
ユキの瞳は、星屑界で見た虹色のきらめきを、小さな、しかし確かな光として宿していた。
「お母さん。今年のクリスマス、まだ間に合うよ。私、もう諦めないから」
ユキのその言葉を聞いたわけではないだろうが、お母さんの表情が、微かに、優しく緩んだ。
窓の外に舞い始めた、ありふれた白い雪さえも、ユキの目には、温かい希望のきらきらに見えた。ユキの心の中には、オリオンとの旅で得た光が、これからも降り積もり続けていくのだった。




