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美味しいもの

"パチパチパチっ"

「ん〜〜〜。ん?」

 なんだぁ……?暖かいな…。

 ん〜。ここは……?

「あっ!猫さん起きた?」

 ん〜?誰だお前は…?

 あ〜さっきの女か。センカって言われてたな。

 そうか。飯くれるってんでついて来たんだったな。

 まぁ害意は感じられねぇし、とにかく腹減ったからな。

「ふぁ〜〜〜。まだちっと眠いが、腹減ったぞ」

「ベーコン焼けてるよ!温かいミルクもどうぞ」

 おっ!キョウだったか。気が利くじゃねぇか。

 温かいミルクもベーコンも美味そうだ!

「いっぱいあるからそんなに急いで食べなくても大丈夫だよ」

「そんなにお腹空いてたんだね。キョウ君が沢山焼いてくれてるから沢山食べてね!」

 美味い!美味い!

 こんなに美味いのは初めて食ったぞ!

 豚のベーコンもいいが、鶏もいけるな!

「まだまだあるからね。でも、猫さんの大きさでどれくらい食べられるかな」

「どれくらいだと?牛一頭くらい余裕だよ!」

 ……。ん〜〜。少し腹が満たされてきたみたいだな…。

「ま、まぁ、今日のところは今ある分で上等だよ…。し、しかし、こんな美味いもん作るたぁなかなかやるじゃねぇか。」

「ありがとう!でも、猫さんは今まで何を食べてきたの?」

 何を食べる?

 そんなもん……。

 またか…。思い出せねぇ。

「ん〜。実はほとんど思い出せねぇんだ。この姿も違和感があるしな…。」

「そうなんだ…。前にも話したけど、言葉を話す動物や魔獣の話は聞いたことがないんだ。精霊の顕現とも違うようだし…。僕が浅学なだけかもしれないけど、もし僕の知識が一般的なら、猫さんは色々な人間にねらわれる可能性が高いと思うんだ」

 狙われる?俺が?

 ……。

 確かにさっきのようなことがあれば捕まるか殺されるな…。

 早く何か思い出さねぇと…。

 そうだ!

「おい!俺が起きた場所に連れていけ!何か思い出せるかもしれねぇ!」

「そうだね!でも、夜は魔物が活発化するから明日の朝に戻ってみよう」

 まぁ、ここがどこかも戻る場所も分からねぇしな…。

「分かった。そんでここはどこなんだ?」

「ここは僕たち遊牧民の家だよ。地域はエイス地方の南あたりかな」

 エイス地方?分からんが、遊牧民か。

「ちょっと訳があって、あまり人里には近づけないんだ…」

 訳ありねぇ。

 まぁ、コイツもセンカって女も悪い感じはなかった。何かから逃げてんのか、何かを守ってんのか。

「訳ってなんなんだ?話せねぇようなやつなのか?」

「ん〜………」

 なんだよ。黙りやがって。

 そんな話しにくいことなのか?

「え〜っと。かけおち?っていうのかな。魔法の国の人と戦士の国の人とは結婚できないんだけど、それを押し切って結婚する人は両方の国から追い出されちゃうんだ」

 駆け落ち顔を赤くしやがって。面白いやつだな。

「駆け落ちくらいで追い出されんのか?そんなしけた国追い出されてラッキーってもんじゃねぇか」

「いや、ちゃんとした理由が二つあるんだ」

「二つ?どうせしょーうもない理由なんだろ」

「一つ目は、その国同士が今も戦争をしていること」

 でたよ。

 人間はいつも戦争していやがる。

 正義だの利権だのとくだらない理由で殺し合う。

 まぁ、俺としては勝手に人間が人間間引いてるんだから面白いんだがな。

「戦争ねぇ。で、二つ目は?」

「二つ目は、本当は秘密なんだけど、そのかけおちした二人の子どもは魔法と体魔法どっちも使えるんだ…」

 魔法と体魔法……。

 くそっ。そこらへんのことを思い出そうとすると靄がかかったみたいになっちまう。

「そ、そうか…。で、でもよ、どっちも使えた方がいいんじゃねぇのか?」

「そうなんだけど…。ここの皆んなは戦争に関わりたくないんだ…」

 まぁ、そうだろうな。

 例外を除けば誰だって死ぬのも殺すのも嫌だろう。

「ならこの集団は狙われんじゃねぇのか?」

「そこは祖父が偉い人たちと繋がりがあったみたいで、両国に了承を得たみたい。たまに野盗が襲ってくるけど、ここの皆んなは僕以外強いから撃退か全滅させちゃうんだ」

 ふぅ〜ん。って。

「その流れでいうとお前も両方使えて強いんじゃねぇの?」

「……僕は例外で体魔法しか使えないんだ…。」

 そんなパターンもあんのか…!

 話しの途中だが…また少し眠くなって…。

「お腹いっぱいになると眠くなるよね。明日は何か分かるといいなぁ。おやすみ、猫さん」

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