海遊
掲載日:2025/10/12
綺麗な貝殻。
透けて見える月が貝殻の柄なのだろう。
両親に見せたいと走り出す少女は空を掻く。
波音が響く。
誰もいない砂浜はやけに冷たかった。
潮風が頬を撫でる。
誰かが横切った気がした。
波の音が聞こえる。
手招きしているように満ち干きする波は高い。
波間から何かが零れ出る。
惹かれるように手を伸ばした。
途端何かに引き込まれる。
手の中には透明な貝があった。
水中から見える月は少し寂しい。
抱き締められる様に海中で眠った。
8月15日
君が帰ってくるはずだから。
帰ってきてくれるはずだから。
だから。
まだ、忘れないでね。




