【プロットタイプ】少し大袈裟過ぎる
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
君達、性質的にラブコメ書くの向いてないよ。
生きてるだけでラブコメなんだから良いじゃん。
「ねぇねぇねぇねぇ!! 瑠衣たん、添い寝しよ〜」
寝室に向かう最中、何時もの様に鏡花が絡んで来る。無視して寝室まで歩き続ける。
「瑠衣たん、お返事」
はいはい。そう思っても、鏡花の背中も髪も真後ろにある。手が届く範疇にはない。
「深夜、鳩尾に頭突きするよ」
「そしたらお前の寝床は床になると思え」
寝相の悪い奴を布団に招き入れる義理はねぇ。
どうやら今日も是が非でも添い寝するつもりらしい。そうなるとどれだけ俺が拒絶しても我を通すので、適当にあしらいながら布団に潜り込む。
端の方に体を寄せると、狭い布団の中に体をねじ込んで来る。
何時もの事だ。こうやって狭いベッドの中に潜り込むのも、こうやって身を寄せて来るのも、体を押し付けて来るのも、全て。
「瑠衣たん」
なんだ。そう思って毛先を撫でる。
「ラブコメってどう書くのかな。よもや『添い寝しよぉ〜』から今に至るまでラブコ……」
「寝ろ」
義理は果たした。これで問題は無いだろう。
鏡花は大抵、何かに顔を埋めて眠る。自分の部屋で寝る時も、昼寝をする時も、添い寝する時も、羽毛やクッション、俺の胸元に顔を押し付ける。前に聞いた話によると、『唇が好きな物に当たっていると落ち着くから』という返答が帰って来た。
だが深夜にふと目が覚めて、鏡花の寝顔を見てみると、珍しく顔を天に向けていた。目が闇に慣れてくると、表情までもよく見える。
「頭突きする気、ねぇじゃねぇか」
目はピッタリと閉ざされている。口はだらしなく開かれて、微かな寝息を立てている。また肌荒れが酷くなり、全体に赤みが残っていた。
しかしそれ以上に気になったのが前髪だった。ついこの間、眉の上までバッサリと切り落としたばかりなのに、もう目に掛かる程に伸びている。
この間切ったばかりの時の様に、指の背を当てて感触を確かめる。切り揃えられた時の感触はなく、ただザラザラとした歪な断面があった。
些細な変化だ。だが俺にとってはそれなりに大きな変化であった。
「お前も俺も、ラブコメは向かねぇよ」
あれは少し、大袈裟過ぎる。
「ぐぬー……」
朝目覚めると、鏡花が眉間に皺を寄せて、前髪を弄っていた。手の甲でしきりに掻き回す。
「前髪伸びて来たー。んー……前切ったの一ヶ月前〜? 夏にはまだ早いよ〜!! あんまり産毛剃ると、肌荒れ酷くなっちゃうよ〜。ぐぬー……。
ラブコメ系の女子達って、そういうの一切書かないよね〜。現実はもっと大変なんだぞ!!」
ラブコメが苦手なんで、書いてると必ずどっかしらに湿度高い話を入れたくなります。
ラブコメのノリってなんだろうね。作者よく分からない。ケンカップル書けば良いの?
※今まで見てきたラブコメが大抵ケンカップル。
という訳で、コメディ要素を海にサヨナラさせる、瑠衣の視点。ただめっちゃ生々しい話。
あんまり書かないじゃないですか。
口開けて寝てるとか、肌荒れ酷いとか、前髪伸びて来た、とか。
人にとっては取るに足らない変化だけど、自分にとっては、『あぁ……もうそんなに経ったんだ……』って思うのが瑠衣にとっての前髪だった。
ラブコメって結構、『隙だらけじゃん』『理性試しやがって』みたいな場面で本能と理性の戦いがあって、女の子起きちゃって、『なんでアンタが此処にいるのよー!!』とか、男の子の精神翌日ボロボロって感じじゃないですか。
明るいコメディではなく、仄暗い現実ばかりに思考が向く。
相手を楽しませるよりも、自らのしっとりした感情に重きを置きたがる。
だからラブコメ向いてねぇよ。現実には大袈裟過ぎる。
という意味でこのタイトル。
湿度ゴリ〜な恋愛が大好きなんですよぉ!!