第六話 討伐依頼
難攻不落のベルガモ山4合目。
一体のアバーハイトと三人の冒険者が戦っていた。
「【金剣)」
「【銀剣】!」
銀と金の剣が空中でぶつかり火花を散らす。
「【鉄拳】」
祐樹がラルディの腹にパンチを決める。
ラルディは2m程後ろに吹っ飛ぶ。
「【憑依】!」
チーターを憑依させた紅王が目にもとまらぬスピードでラルディの懐に入る。
「ふんっ!」
紅王を投げ飛ばすラルディ。
地面に着地する紅王。
「【銀け・・・」
ジャキッ
金の剣がラルディの首に当たる。
「動けない・・・」
ラルディが祐樹を見る。
「【静止】か・・・」
ラルディがふっと笑う。
「気になっていたんだよね」
めろんが固まったラルディに近づきながら言う。
「お前は【銀化】という全てを銀に変えることができるスキルを使える。なのにどうしてバンバン使わないんだろうかって」
ラルディの首元に浮かんでいた剣を持つめろん。
「多分、そのスキルには複雑な発動条件があったんだろう?」
ラルディの首に剣を当てる。
「正解」
ザンッ!
ラルディの首が切り落とされた。
ベルガモ山中腹カナモタケ村。
「珍しいですなぁ。冒険者は」
オールバックの元気そうなムキムキの男性が歩いてくる。
「何をしていたの?」
「筋トレです」
・・・筋トレ?
「これも全てはあの魔物を討伐するため!そのために村の男ども全員がこうやって体を鍛えているのです!」
・・・
「活発な人だね・・・」
紅王がめろんに耳打ちする。
「本当に。語尾に全部ビックリマークが付いてる・・・ん?確か後一人語尾にビックリがつく人がいたような・・・?」
「お呼びでしょうか!」
「くじら!そうだお前だ!」
くじらの画面に【(# ゜Д゜)】と表示される。
「?」
「最近わて影が薄いって何度言ったら分かんねん!おい!作者はん!出番作れや!」
なんで大阪弁なの?
あ、そうだ。きっとこれは『ぶちぎれたら大阪弁が出てくる現象』なんだな。
知っている気がする。
「あぁ!PowerPoint反応せぇへん!このポンコツが!」
在宅をしている父さんがめろんの脳裏に浮かぶ。
「どんな魔物の討伐なの?」
「炎のルベザオクだ!」
・・・
「ルベザオクならもう倒したよ!私たちが!」
男の人が人差し指を振りながらチッチッチッと言う。
「ルベザオクはこの世に体いるのだよ!炎、水、空気、風、土、黒煙!黒煙と空気は討伐されたと聞いていたが、まさか君たちが黒煙を倒したとはね!うわっはっはっは!」
テンションが高い。
高すぎる。
「ん?待てよ・・・」
「?」
しばしの沈黙。
「そうだ、君たち、ルベザオク倒してくれ」
「はぁ!」
「報酬は十分に支払うからさ、ね?報酬も選ばせてあげる」
・・・
「報酬何がいい?」
紅王が二人に耳打ちする。
「路銀が無いから、moneyで行こうか」
「銭ゲバ」
「何だと!」
男どもが争っているのをよそに、男性に話しかける紅王。
「1万ゴールドでお願いしやす」
「へい。承知しやした!」
村の近くの森。
「ここにルベちゃんがいるって聞いたんだけど・・・」
「ルベちゃんって・・・」
近くの木が折れ、ルベちゃん・・・じゃなかったルベザオクが飛び出した来た。
「一回戦ったから楽勝っしょ!」
戦いが終わった。
「ちょ、ちょっと油断しすぎたな・・・」
祐樹はボロボロである。
「油断大敵、だよ!」
・・・
「今のちょっと可愛く言ってみたけど・・・どう?」
「イマイチ」
次回予告 くじらの策略