白の女神の手直し
とある世界の神話。
ある日4人の巨人達が現れた。
それらは破壊が巨人の姿を得て降り立った者。
世界を作るという四大元素の力を身にまといただただ破壊の限りを尽くした。
何故彼らが破壊するのか。
それは誰にも分からない。
しかし、破壊の後には創造がある。
天より白き女神が降り立って地上に新たな命の芽吹きをもたらした。
人々は女神様の加護を信じ、神殿を築いた。
いつかまた現れるかもしれない巨人達から守る加護があることを。
そんな神話の話。
「あっ、ここ削って代わりにここに都を置きたいな。」
白の女神は最近作った世界を見てそう呟いた。
少し前に破滅が訪れそれと入れ替わりに創造した世界。
しかし、もうできた世界を直すのは簡単なことではない。
まずはできてるところを破壊して直さないといけない。
白の女神は作るのはできるが破壊は不得手だ。
だから、そういうのはほかの神々がそれなりの基準をもって世界にもたらす。
しかし、世界の全てではなく1部となると話は変わる。
そんな『どうでもいい』ことにほかの神々は興味を持ってくれないし持ったとしても手伝ってくれるとは限らない。
だから、彼女はそれが出来る部下を創造した。
彼女は4回手を叩く。
少しすると4人の騎士が彼女の前に現れた。
火と水と風、そして土。
世界を作るにおいて必要な4つの元素。
それらを極めた力を持つ破壊を担当する騎士達。
「あなた達お願い出来る?」
まるで断ることが出来るかのように彼女は言うが創造主に逆らうなんて選択肢は彼らにはない。
彼らは静かに頷くと彼女の世界から消えていった。
「さて、どのくらいで終わるかな?」
時間がかかるのだけが難点だが彼らが遂行できなかったことは無い。
直す準備だけしておくか。
彼女はそう思い近くにいたうさぎのような輝く獣に指示を出した。
「まるでマッチポンプね。」
赤の女神は苦笑する。
黒の女神は伝え聞いた話です。とまるで意に介してないようだった。
「それに人々からしたら破壊の後に救いを与えた者に見てるでしょう。」
そういう彼女はたまに世界の人々から望まれる存在だ。
もちろん私の場合もあるが。
「まぁ、私達を崇拝してくれる人達なんて大抵ろくでもないしね。そういう意味では神殿が作られるなら彼女の方がマシかもね。」
私が笑うと彼女も口角を上げる。
そういえば伝え聞いた話ですと言ったが果たしてだれが彼女に伝えたのだろうか?
そんな疑問を思ったがまぁ、私みたいなガチボッチと違って彼女の方は伝え聞く位の人はいるのでしょう。
と勝手に納得する。
それに、そんなこと聞けるほど仲良くもなかった。
「そういえば、創造の女神と言えば……。」
彼女達のお話はまだまだ続く。