「中古のオラクルカードはつかわないほうがいい」ときいたけど、中古だった! どうしよう! というひとと、再販は待ってられないけど中古はつかいづらい、というひとへ教えたい、抜け道
占いを推奨するものですが、占い結果を信じることを推奨はしていません。
てっとりばやく抜け道を知りたいかたは、下のほうにまとめてありますので、スクロールしてくださいませ。
皆さん占い好きですか? わたしは好きです。
占ってもらうよりも、自分で占うほうが好きです。時間がかからないし、気が楽だし、好きなところでリラックスしてできます。
占いはTRPGのような感覚でやっています。ダイスロールです。判定するのです。TRPGと違うのは、ファンブルでもキャラが怪我したり死んだりしないところです。結果がよくても悪くても、気にしないならしないでいいのですから。
毎回結末がかわる本を読んでいるような気分、といえば伝わるでしょうか。偶然性を利用した物語制作のような感じです。
占い道具というのは多岐にわたります。
よくイメージされるのは水晶玉、タロットカード、筮竹、それからホロスコープ辺りでしょうか。四柱推命や、姓名判断、手相や顔相、少しくわしいかたなら数秘術やマヤ歴などもご存じでしょう。なかには小銭や小石を投げたり、釣り竿をぶんまわしたり、波線を描いたり、ほんとにTRPGのようにダイスロールする場合もあります。
そのなかでもお手軽なのが、一枚引き(ワンオラクル)といって、デッキのなかから一枚ひいて今日の運勢を見る、というようなことができる、オラクルカードではないでしょうか。
ルノルマンカードとかタロットカード、プレイングカード(いわゆるトランプ)、ルーン、ジオマンシー、易でも似たようなことはできますし、チャートがあればダウジングでも可能です。
が、ごく最近になってアメリカで生まれたらしいオラクルカードには、
「ルノルマンカードやタロットカードのような定形がなく、カードの枚数や構成が決まっていない」
という利点があります。「海外産のものが多く、ほしいのに翻訳されていないものもある」という難点もあるのですが。
ともあれ、定形がないので、ややこしい儀式のようなものもなく(勿論、そういうものを指定しているデッキもありますし、個人の判断でしてもいいのです。その辺の自由さ、という意味です)、手引きがなくても直感で絵を判断したり、カードの名前で判断できるのです。
子どもの頃、こんなことをしたことはありませんか?
帰り道で、「次の角を曲がって最初にすれ違うひとがジーパンならラッキー、スカートなら最高にラッキー、どっちでもなかったらふつう、車にのっててわからなかったらアンラッキー」、など、自分でルールを決めて運勢をはかる。
運勢を、でなくても、これこれこうなら家まで走る、こうだったら友達の家による、こうだったら帰ってすぐに宿題をする……など、運を天に任せたことは誰しもあるのではないでしょうか(これらは辻占や橋占の変形というか、もとなのかもと思います)。
オラクルカードは、そういった「自分ルールでの判定」に似ています。それがとっつきやすさになっているのだと思います。
わたしの占い観はこれくらいにして、本題にはいりましょう。
そういう、お手軽・楽しい・かわいい(綺麗、かっこいい、などでも可。自分の好きな絵柄でいいので)、三拍子揃ったオラクルカードですが、困るところもあります。ルノルマンカードやタロットカードでもそうです。
新品をつかわなくてはならない。
これ、オラクルカードの出版社でさえ否定しているのですが、結構なひとが実行しています。わたしも気になるので、新品のデッキを入手してつかっていました。
当然、中古品でも傷みが少ないものなら、充分実用に耐えます。わたしもひとつ、中古品のデッキをつかっています。
この辺は「気分の問題」といいきれない部分もあります。
どうしてかというと、中古だと折れたり、端が反ったり解れたり、日に焼けたりしたカードがまざりこんでいる場合があるからです(新品でもそういうことはありますが、出版社もしくは販売者に連絡すれば普通とりかえてもらえます)。
酷いと数枚抜けていたり、同じカードが数枚はいっていたり……なんてこともあるようですが、そういうものは論外として、破損したカードは扱いにくい。
何故かというと、そういうカードがまざっていると、うらがえしていてもそのカードだけはなんなのか、はっきりわかるからです。それはとても、具合が悪いです。
TRPGでたとえると、「ある振りかたをすると特定の目が出るダイス」をつかっているようなものです。勿論、その振りかたをしなければいいのですが、だとしても気になりますよね。
そしてこれは、自分ひとりで占っているならともかく、友達を占ったり職業的に占いをする場合は、要注意です。必要なカードすべてをリーダーがひくなら問題はありませんが、相談者にひかせる場合、相談者は破損したカードを意図的にひく、もしくは避ける可能性があるからです。
なので、基本は新品推奨、というのは、エネルギー云々のオカルト的な問題だけではなく、「破損したカードを用いた場合、結果に有意差が出る可能性が高い」という現実的な問題でもあるのです。
ここまで読んで、
「でも、出版されたばかりのカードなら沢山出まわってて簡単に新品が手にはいるけど、昔のものは中古しか手にはいらないよ! どうしてもあのカードをつかいたいのに!」
と思ったかたに朗報です。
中古品を買うよりはお金がかかりますが、新古品を買うよりはずっと安上がりな手段があります。海外産のオラクルカードに限った手段ですが、ほとんどが海外産なので、ある程度のかたのなやみは解消できると思います。
やりかたは簡単。まずは中古品でお手頃価格のものがないか、さがします。
「中古はだめなんじゃなかったの?」
と思ったでしょう。状態が判別できない場合は、推奨はできませんね。
ただこの場合、必要なのはカードそのものではなくて、手引きです。解説書です。
「海外産のものが多く、ほしいのに翻訳されていないものもある」と、最初のほうに書きました。
海外産のオラクルカードを翻訳したものの中古、をさがします。これは幾らでもいいですが、解説書がきちんとついているものを選びましょう。
その上で、原著をさがします。自分の感覚ですが、翻訳される前と後では、前のほうが少々安い。しかも、出版年が結構前でも、まだ新品を売ってくれています。
原著が新品で売っているのを見付けられたらラッキーです。先程の中古とまとめて購入しましょう。
中古品の状態がよかったら、一応ひと晩水晶で浄化するなどして、わたしならつかってしまいます。カードはどれだけ丁寧に扱っていても傷んでいくものなので、新品を塩漬けしていても損にはなりません。どうせいずれはつかうものなのです。
気になるかたは日本語の解説書をのこし、カードは廃棄してしまうと宜しいかと思います。
その場合は、占い用カードの廃棄手段として推奨されている、「水晶/ホワイトセージの煙/クリスタルチューナー/天日塩などで浄化し、白い紙に包んで捨てる」をやってもいいと思います。
さて手許には、
「日本語版の解説書」
「原著(カード、原語の解説書セット)」
が残りました。
ここまで来れば誰にだってわかるでしょう。
原版のカードを聖別してラポールを築き、日本語版の解説書を参照して占えばいいのです。
すみません、ちょっとそれっぽい単語をつかってみたかっただけです( ̄▽ ̄;)
おさらいとまとめです。
1.日本語版の中古をさがす。安くても解説書がきちんとついていればよし。なかったら諦める。
2.原著をさがす。なかったら諦める。
3.どちらもあったら、お財布の中身と相談して購入する。相談してもどうしようもなかったら諦める。
4.中古品が手許に届いたら、日本語版の解説書は死守する。
カードの状態を見て、実用に耐えるようであればそのままつかう。破損が酷い、ひとのつかったものはつかいたくないという場合は廃棄する。気になるなら浄化をしてから。
5.新品が届いたら、日本語版解説書を見ながら占う。
少々手間とお金はかかるかもしれませんが、占いというのは娯楽です。
娯楽なら、「これって他人のつかったものだからちゃんと占えないかも?」なんて疑念を抱きながらやってほしくはありません。楽しいのが一番ですからね。
もしここまで手間をかけたくないのなら、別に占い自体やらなくてもいいのです。やらないからといってあなたの人生になにか影響がある訳ではありません。趣味をもつかどうか、程度の軽い話で、呪いもたたりもなにもありません。カードにそんな力はないのです。
最後にひとつだけ。
オラクル/ルノルマン/タロットカードには、海賊版が多く存在していて、通販サイト、フリマアプリなどでも売られています。
それらをつかっても占いができないことはないですが、出版社や作者の権利を侵害し、利益にダメージを与える存在です。自分の好きな作者さんが、海賊版の所為でお金にならないから撤退する、なんてことにならないよう、海賊版を間違って買ってしまわないように気を付けてください。
もし、間違って買ってしまった場合は、返品しましょう。わたしも間違って買ってしまったことがありますが、その時は「カードはそっちで処分して」という連絡とともに、返金してもらえました。
健全に楽しく、いつも結末の違う本を読むような気持ちで、気軽にオラクルカードに親しむひとが増えたら嬉しいです。
ちなみに、原著がなくても各言語に出版されている場合があります。そちらが安ければ、そちらを買えばお得ですね。
ただし、海賊版でないことはしっかりご確認ください。
道具は成る丈少ないほうが……というかたは、紙とペンがあればできるジオマンシーや、その辺の枝を拾えばできるY字ロッドやI字ロッドのダウジング、古銭での断易、星図が頭にはいっていればどこでもできる占星術、数秘術などいかがでしょうか。
「どっちでもいいんだけどな」という時にこういったもので決めると、面白いことがあるかもしれません。
2021/08/27追記
オリオールズが願掛けでホワイトセージを焚いたというニュースを見付けました。
気分転換とか、仕切り直しにはいいものなのかもしれませんね。