#2 スキルとの出会い
教会に向かう途中、レオは、父のアルトにこんなことを話す。
「僕はね~、人を幸せにできるようになりたいと思うんだ~。楽しいスキルとか、戦えるスキルとか、助けられるスキルがいいな!!」
「お前は、いいこだな~!!楽しみにしてるぞ!!」
しかし、この時二人は同時に同じ事を考えた。
((まぁ、そういうスキルしか出ないんだけど……))
この世界で、最初に分かるスキル(ジョブともいう)は、神によるものと考えられている。そして、その神は、魔神や、悪神ではない。よって、最初は、必ず、良い行いのできるスキルとなるのだ。
では、なぜ、悪いことをするやつがいるのか?だって?
強力な呪いの装備や、単純に精神や心の問題でも、ジョブが変わってしまうからなのだ。ちなみに、いわゆる盗賊の格好をした服も、呪いの装備である。
二人で歩いていると、教会が見えてきた……
~教会~
二人が、教会に入ると、中の神官が気づいたようだった。
「おや、お二人でこちらにいらっしゃったということは……スキルですかな?」
「うん、そうだよ~!!」
「元気がいいですね(笑)」
「息子が、3歳になりましたので(笑)」
「おめでとうございます。早速、やりますか?」
「そうですね、お願いします(笑)」
「お願いします!!」
案内された部屋は、なんとも表現できない神聖な雰囲気があった。
奥には、まるで水晶のような透明な半球があり、そこへ、太陽光と思われる光が、複雑に反射して光っている。
まさしく、神秘的であった。
「それでは、こちらの方に。」
そういわれて、水晶の近くまで案内された。
「ここに、手をおいて、しばらくお待ち下さい。何かを感じたときに、スキルが判明するでしょう。」
「分かりました!」
レオは、水晶に手を置いた。
―――少しして……
レオが気付くと、そこは真っ白い空間に飛ばされていた。そこに、一人の女性がたっていた。
女性は、非常に美しかった。腰の辺りまで伸びた美しい髪、すらりと伸びた四肢。控えめだが、主張はしてくる胸。
レオは、一瞬目が釘付けになったが、手招きされていることに気付いて、近くに寄っていく。
「こんにちは。」
女神の微笑みだった。
「……こんにちは。」
「えぇと、んー……自己紹介しようかな。私、指パッチン神です。」
レオは、キョトンとする。
「私の加護、みたいなものがあなたのスキルになります。」
レオは黙るしかなかった。そして、考える。
(スキルが、指パッチン神?暇潰し程度にしかならないはずの指パッチン?)
「強かったりするの~?」
「それはあなた次第です。あと、前世が戦士で、転生してその姿なのは知っていますよ?」
「……早く言ってくださいよ……」
(恥ずかしい……)
「すみません、私もさっきまで、記憶も引き継いでいることを忘れていました」
苦笑いを浮かべる神様。
「はぁ……まぁ、いいですけど……」
「ここは、神界と、地上の中間?みたいなところです。だから、私たちが話せるんですよ~。」
「なるほど……?」
「また、すぐに会うことになりますが、最後に1つだけ。使いまくったら、進化して、強くなりますよ。」
「分かりました。ありがとうございます。」
「いえいえ、じゃあ、頑張ってくださいね。」
そうして、その真っ白な世界は消え、もとの、教会に戻ってきた。
「お帰りなさいませ。レオ様。」
「うん、ただいま!!」
「……指パッチン神とは、聞いたことがありませんね……」
「スキルが分かるの~?」
「水晶に表示されるのですよ。今回は初めてですから、必ず。」
「そうなんだ~!」
「ところで、どんなスキルなのですか?」
「よくわかんない~。」
「はぁ……分からないのですか?」
「うん、今度使ってみるね(笑)」
「ぜひ、また、教えてくださいね(笑)」
「今日はありがとー!!」
「いえいえ、では気をつけて。」
その後、部屋から出て父と合流した。
スキルの話をしながら、帰ることとなったようだ。
次回に、どんな事ができるか等が分かるようになると思います。