#プロローグ 魔王城で……
新作です。書きたくなってしまいました。
~魔王城~
「なぜ、貴様らごときに、この我がやられるのだ……!?」
「最期だ、消えてくれ。魔王……!」
ここは、魔王と勇者たちとの最後の決戦の場。魔王城。
既に虫の息となった魔王に、勇者が剣を振ろうとする。
「まだだぁぁ!!貴様ら一人は道連れにさせてもらおう……!!」
魔王の全てがそこに集結する。
「避けて!!」
賢者が叫ぶ、が、もう間に合わない。
「死ね、勇者っ!!」
魔王から、暗黒、全ての闇のような弾が放たれる。
勇者を貫くかと思われたその瞬間……ドンッ……
横から戦士が、勇者を突き飛ばす……
その弾は、戦士の体を貫いた。
「チッ……!!」
「うわぁぁあああ!!」
突き飛ばされたものの、その驚異的な身体能力で持ち直した勇者は、魔王を貫いた。完全に殺った手応えがあった。
その後、全員が戦士のもとに寄る。
「……魔王は、倒せたのか……?」
戦士は、消え入りそうな声で聞く。
「あぁ、倒せたよ……」
「……そうか……。……はは、何で泣いてるんだよ、お前ら……」
戦士の腹は城の地面が見えるほど、綺麗に貫かれている。なぜ、喋れているのかすらも分からない。
激戦のあと、この傷を回復させる手段はもうない。
全員が戦士の死を悟っているのだ。戦士自身すらも……
「……倒せた、けど、お前を失うのは俺らにとって、何よりも悲しいことなんだ……」
「……そうか、……ありがとうな。」
「……なぁ、こういうのお前は嫌うだろうけどさ、ここに転生のスクロールがある。そう遠くない未来に……、転生させられる。記憶もそのままだ。受け取ってはくれないか。」
「……普段ならごめんだな。だが、俺にそれだけの価値があるなら、頼む……」
「そうか……っ!また、会えたら……、仲良くやろうぜっ……!」
「……歳が、違いすぎるな……だが……それもいい……。……もう、無理そうだ。」
「分かった……」
そう言って、スクロールを発動させる。
戦士は、意識が無くなる寸前に、仲間の声が聞けた気がした。
…………ありがとう、またな、【勇者の右腕】、レン…………
こうして、俺は、暖かな光のもと、転生した。
更新日は、完全不定期です。気になったら、是非とも、評価、ブックマークお願いします。