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第二章 始まりの午後



……眠い…


変な夢をみたような気がします。

なんかエロ爺ぃが何とかって…よく思いだせませんが…


私はゆっくりと布団から抜け出し、枕元にあるリモコンを操作してテレビをつけます。



今は12時10分。8チャンネルにしてタモさんにご挨拶を申し上げます。

これが最近の日課になっています。


ん〜今日はゲスト誰かな?


…誰よこの人。

海パン一枚の無駄にテンションが高い人です。

お笑いの人らしいですが、私はすぐに電源を切りました。

つまんないんだもん…



さて、この辺で自己紹介を。

え〜ルルと申します。ファミリーネームは知りません。実はですね、捨て子だったんですよ、私。一応拾われてからの名前は山崎ルルとなっていますが…。

私が山崎と名乗るのを親戚は嫌がるため、私にはファミリーネームがないんです。


作者楽しようとしてますね。後でどうとでも…

チャッラララッラッララ…


あっ、メールですね。


これまた枕横に置いてある携帯を操作し、受信ボックスを開きます。


「ルルへ。

おはぁ    今日修君と遊ぶんだけど、何着てこう?」

これは数少ない私の友人、美羽です。


美羽はどうせ私には意見をもとめてなどいません。ただ、自慢したいだけ。

美羽はシュウというクラスメイトが好きなようです。で、自慢と・・・・・

そんな事分かっていますが、これも友達の務め。うざいとは思いつつも文字を入力していきます。


『えぇ〜美羽は何着ても似合うじゃん』


送信、と。まったく惚気も対外にして欲しいものです。

私だって色々あるんですよ?それを・・まったく・・・・


チャッラララッラッララ…


速っ!!!!


『やっぱり?ルルもそう思う?んじゃそういうことで。じゃ〜ね!!』


殺意が・・・


まぁ気を取り直して。


うん、今日は図書館にでも行きましょう。一人でも楽しめる最高の娯楽施設ですよ。それも無料の。

着替えを済ませ、リビングに降りていくと既に親はいません。

こういう時、拾われた身を実感します。愛してはくれているんでしょうが、なんだか違います。無償の愛ではない気がします。まぁ、良いんですがね・・・もう慣れましたし。幼いころは本当の親は誰かなんて考えたりしましたが、今はもう。ただ悲しいだけで何も得られません。


……さぁさぁ、行きますか。いざ、図書館!


ん?私の格好ですか?ん〜普通ですが?

白のブラウスに赤のスカート。ね?普通でしょ?


……あっ忘れてました。私、実は私、翼があるんですよ。

翼と言っても小さな物ですが。某幼児向けアニメキャラみたいな感じ。大きさは…蝙蝠?


この翼は私だけの秘密です。

親も、友達も知りません。まぁ私ですら最近知ったんですがね。着替えるとき偶然。


余談はさておき、ゆっくり散歩でもしながら行きますか。


暇ですから・・・・


今は紅葉の季節ですから、街路樹が綺麗でしょうね。


予想通り、素晴らしく綺麗に色づいたイチョウの木が私を出迎えてくれました。

そして秋晴れ。

うん、完璧です。


おや?

私は玄関を出てすぐ足を止めました。


それもその筈。

家の門の前に、もう1つ門があったのですから……


でも、その門を通らないと本屋さんはおろか、道路にすら行けません。



…ん〜変だなぁ、随分と異国情緒溢れる感じが。



……うちの家は和風だし……お隣かな?リフォームついでに買ったのかな?



などと考えながらもその門の前に立つと、なんと門から声がするのです。


最初はただの聞き間違いだと思ったんですが……


その門は言いました。


『我は“異界の扉”なり。汝、旅を望むか?』


え、いやそんな、図書館までを旅と言うのでしょうか……

……っ、しゃべってるっ?












いやいや……ないって……



……なんか疲れてるのかな?やっぱり今日は家で寝てよう。うん、最近熱っぽいし……


こうして私は家の中に戻り、布団を被りました。


この事もまた、運命の別れ道だったのです。














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