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おいでませ洞窟

一昨日もう一つ上げると言ったなあれは嘘だ。


ごめんなさい諸事情により書けませんでした。

今回はアリアの出世についてではなく、普通に戦います。

新キャラが登場しますよー

先日捕まえた人語を喋るゴブリンは案外あっさりと群れの住処を吐いた。

最近行商人がゴブリンに襲われる事件が多発していて行商人がスハル街に来ないことが多くなっていた為、住民はゴブリンの群れの一掃を狩人に依頼していたが、ゴブリンの住処がわからなかったから今まで断っていた。しかしゴブリンの住処がわかった今受けない理由はない。しかも報酬も結構高い。


アリアは教えてもらった場所の書かれた地図を手がかりに群れのいる洞窟へと歩を進めていた。フード付きのマントで身を包んだアリアと、青い革の装備に身を包んだ男の二人で。町長の提案により狩人二人で行くことになった。名前は「ジョニー」らしい。。この人がここにいる理由は町長と目が合ったから仕方なく連れられた。けれど本人はまんざらでもないらしく、むしろ報酬の額を見た途端に目の色を変えて「絶対受けます!」と言っていた。


「ねえゴブリンの群れってさあ」


ジョニーは狩人になって二年らしい、アリアよりも一年先輩だ。

自分が先輩だということがわかった途端にジョニーは態度が大きくなった。


「主がいるんだよねえ、普通ゴブリンよりもつよいのかな」


いまから洞窟で戦いに行くというのに陽気なジョニーにすこしアリアは苛立っていた。

おそらくアリアに話しかけているのだろうけれど人と話すことが苦手なので無視した。

とりあえずジョニーはめんどくさい奴だとはすぐに理解した。


「そいつ、俺の獲物だから取らないでよ」


アリアの耳元で囁かれた。それに一層腹を立てるアリア。

ここでの「そいつ」はゴブリンの主だろう。それはどちらが倒したって報酬の金額は変わらない。なのでジョニーが通してくれるならアリアは周りのゴブリンを倒してついでにゴブリンの所持品を漁っていればいい。

ジョニーが馬鹿な目立ちたがりなおかげで仕事が楽になる。

ジョニーは道中、自分が倒した魔物の自慢話をしだした。

ジャイアントアントを倒した時の話、ジャイアントスパイダーを倒した話、ジャイアントスラッグを倒した話。それだけだった。

道中魔物とは遭遇しなかった。

スハル街から南に歩いて小一時間。大河の近くにそれはあった。ここ周辺は魔物の出現率が多く、住民があまり近寄らなかった。それは見つかるわけがないと思った。


「結構遠いねちょっと休憩しようよ」


ジョニーには近くの石に腰掛けて水筒の水をガブガブと飲み始めた。

そんなことに気も触れずアリアは近くに落ちていた木の枝から松明を作っていた。松明を作るための油などはあらかじめ用意しておいた為、ものの5分ほどで火がついた。

火がついた事を確認したアリアはジョニーの方を向くと「やれやれ」といった顔をして立ち上がるジョニー。


二人は洞窟に突入する。

改めて今回の依頼内容を確認する。目的はゴブリン達が行商人を襲えないようにする。

特に方法は述べられていない。アリアとジョニーは手っ取り早く、皆殺しにする事を選んだ。

洞窟の中は案外広く、人が5人通れそうな広さだった。アリアは内心洞窟の広さに安堵する。ゴブリンたちは暗視を持っている為、光が必要ない。そのため洞窟の中で松明の明かりは目立ちやすいということ。もし洞窟が狭かったら光が奥まで届いてしまい、多くのゴブリン達に気づかれてしまう。

さっそく光に反応したゴブリンが現れた。アリアはナイフを取り出そうとする。しかしそれよりも速くロングブレードを両手でもったジョニーがアリアの前に飛び出した。

ゴブリンに向かって長い鉄の剣を横の大振り、一瞬よろけてからの縦の大振りそれから剣先で突き刺した。ゴブリンは腹に突き刺さった剣を手でつかみながら血を吐いて静かに絶命した。

ジョニーはアリアの方を向いた。「ドヤァ」殴りたくなるドヤ顔。

その後、二人は進むと、数匹ゴブリンが現れた。ジョニーはロングブレードを振り、アリアはナイフを器用に扱いゴブリンの頚動脈を切り裂いた。

ロングブレードは大剣程ではないが重さと長さを利用して敵を一刀両断にする武器だ。それを扱うジョニーはゴブリンに対して何回も攻撃が弾かれていた。しかも切り裂こうとしても浅いところで止まってしまう。それを見たアリアは少し不安だった。

何回か分かれ道があったが、どれも3本で分かれていて、一番奥に主がいると思った二人はただひたすらまっすぐ進んだ。

案の定、主がいた。松明の光が漏れないように気をつけながら物陰に隠れた。くらい洞窟の中だったが、主の姿がうっすらと目視できた。しかし、大きさがゴブリンのそれではなかった。それよりも大きい。


「ゴブリンじゃない、もっと大きい」


アリアはジョニーに言った。ジョニーは気づいていなかったみたいだ。


「そんなのどうでもいい俺がやる」


ゴブリンじゃないということを告げてもジョニーは意思を変えなかった。もうどうにでもなれと思ったアリアは何も言わなかった。

アリアは主の前に松明を投げ込んだ。主は「なんだこれ」といった表情でそれを見た。


「3……2……1」


二人は飛び出した。その時二人はそれの大きさを目の前で見た。

ゴブリンよりも一回り大きい程度だが、体が引き締まっていて、筋肉が凄まじい。

アリアはすぐにわかった。こいつがボガードだと。ゴブリンのような蛮族は群れの主が違う蛮族だということは結構ある。

しかし、それを確認したジョニーは引きもせずボガードに突っ込んでいった。両手で横の大振り。


「うおおおお」


しかし、切り傷をつけた程度だった。

ジョニーの顔が青ざめる。ふいに上を向くとそこにはボガードの顔があった。

ボガードはニヤリと笑い、手に持っていた大きい棍棒をジョニーに振り下ろした。


読んでいただきありがとうございました!


感想など頂けると作者は嬉しくなって妖狐になります。

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