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アリアット・ブラッド

アリアの出生についてのお話しです。

短いですがかなり内容は濃いかと思います。

書きながら自分で泣きそうになった私がいます。



私は愛する人と愛を育み、我が子を身ごもった。あの人はいなくなってしまったけれど、私はこの子を1人でも強い子に育てようとおもう。

私は有名な魔法族の家の娘だ。つまり魔女だ。魔法使いは何かと風評被害を受ける為、森に屋敷を建ててひっそりと暮らしていた。

どこの馬の骨かもわからないような相手と子供を作り、産むというのは猛烈に反対されたが、私は意思を曲げなかった。私が愛するあの人の子供を産むという意思を。親の反対の中、祖父と祖母は私の気持ちをわかってくれた。結果親も納得し、産むことになった。

出産の日、私は激しい激痛に見舞われた。多くの人達に見守られながらそれは行われた。長い戦いだった。体が弱かった私にとっては大きな戦いだった。数時間にも及ぶ激痛の末、我が子は生まれた。我が子の鳴き声が聞こえた時には達成感と嬉しさと涙があふれでてきた。

女の子だそうだ。我が子を初めて抱いた。とても軽く、とても可愛かった。すこし奇妙なことに産まれた時から目がはっきりと見開いていたが。


名前は私の名前とあの人の名前を混ぜてアリアスと名付けた。アリアスには私が注げるだけの精一杯の愛情を注いで育てた。この子を産むことに反対していた親も孫を見れたことがとても嬉しいようで、反対していたことなんて忘れていたかのように毎日笑って過ごした。アリアスは言葉を覚えるのがあまりにも早かった。一歳になる前に「ママ」と喋った。一歳の誕生日にアリアスは1人で立てるようになった。さらに一歳半で歩き始めた。

あまりにも成長が速すぎることを祖母に相談したところ、「魔法使いの子供は普通の人間よりも早く成長するケースが多いんだよ」としか答えてくれなかった。けれどその後祖母に「それにしても成長が早いねぇ一体どんな血筋の男との子なんだい」と聞かれたが、絶対に答えなかった。誰に言われようともあの人のことは誰にも教えなかった。



ある日、アリアスが歩く練習をしていた時のこと、私が目を離した隙にアリアスは視界から消えてしまった。家族そうでで探した。すると驚くべきところで見つかった。アリアスは階段の下にいた。大量の血を流し、見れば顔に亀裂が走っていた。

私は泣き崩れた。親達は「お前のせいじゃない」と慰めたが、私は死んでしまいたい思いだった。

しかし、その時、親達は私を慰める声を一斉に止めた。見てしまったんだ、アリアスの力を。


アリアスの飛び散った血はアリアスの傷口に戻っていった。まるで血液の粒子一つひとつが意志を持っているかのように。

直ぐにアリアスの傷口は消えた。飛び散った血もまるで掃除をした後のように消えた。

そこにはもう血を流したアリアスはなく、眠っているアリアスがいた。


親はアリアスを「呪われた子供」だと言った。出産を応援してくれた祖父と祖母でさえも、親と同じ事言った。私はこの子を守ると誓った。親になんと言われようとこの子を手放さないと決めた。

しかし、私は親達に負けてしまった。親達の提案でアリアスを森に捨てることになった。

それも入れば帰ってくることはないと言われる「終わらない冬の森」に。


アリアスのことを「呪われた子供」と言った親達も、私にとって大切なアリアスを手放すのは気の毒だと思ったようで、最後の最後まで私と一緒にいさせてくれることになった。

「終わらない冬の森」は寒かった。だからアリアスが大好きだった毛布と熊のぬいぐるみを一緒にいさせてあげることにした。

アリアスはこのあと森で死ぬ。

せめてアリアスに辛い思いをさせたくないと思った私はアリアスに呪いをかけた。痛覚と冷点、温点の機能を止める呪いだ。


でも私はもし、誰かがアリアスを拾ってくれる可能性があると思って「15年後のアリアスに向けての手紙」と拾ってくれた人がアリアスの名前をわかるように「親愛なる私の娘、アリアス・ブラッド」と彫られた大きなルビーの宝石を熊のぬいぐるみの中に入れた。



次回もアリアの出生についてになります。


感想やレビューをもらえたら作者は嬉しくなって邪王炎殺黒龍波を放ちます。

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