頭のいいスケルトン 2
お待たせしました。
少女は木の上にいた。
昨日と同じ夜、スケルトンと遭遇した時と同じ時間。
今回の目的はスケルトンの破壊。バッキイのアイデアで1度破壊してから敵の様子を見るということになった。しかし、術者を殺す、あるいは術者にスケルトンを止めさせること以外に破壊する方法なんてあるのだろうか。と思ったがバッキイは倒し方を知っていた。バッキイ曰く、スケルトンの魔力供給源は頭蓋に埋め込まれた魔石、それに魔法知能が込められている。それを奪ってしまえばいい、しかもそれは魔石だから自分の魔力にすることも可能だという。
書物には書いていないことをバッキイは教えてくれた。一体何者なのかと毎度思う。
アリアは目を閉じでイメージトレーニングする。
まずチェーンソーでスケルトンの頭蓋を半部に割る。それから中の魔石を取り出す。
これを5回行う。
アリアは目を瞑り、耳を澄ます。ポーションで聴力を上昇させているわけでも、前回と同じようにトラップを仕掛けているわけでもない。狩人としての耳、いやアリアの集中力だ。
アリアが聞こうとしているのはただひとつ、骨と骨が当たる音。それだけを聞いた。それは少しずつ近づいてくる。今回はスケルトンの通り道の真上にいる。ここから奇襲をかける。
おそらく、遠い距離でアリアを見たスケルトンは見られたことに反応するだろうと推測し、耳だけに頼ることにした。これはバッキイのアイデアではない、アリアの狩人としての知恵だ。獲物を倒すためにその数パーセントにだってかける。
アリアの心拍数が上がっていく。だんだん音は近くなる。今でも飛び出したくなる気持ちをぐっと抑えて時を待つ。
カラカラ、カラカラ
ーーーー今だ
アリアは目を開けて木から飛び降りる。高さ15mの紐なしバンジーだ。アリアは懐からポーションを取り出す。これが秘策だ。
ーーバリン
それと共にアリアは体が重くなる。
「くっ」
しかし、スケルトンは動きが止まっていた。
ーーー魔法効果低下ポーション。
スケルトンは魔法で動くいわば魔導器に近い存在、ならばこのポーションで動きを鈍くすることは出来る。しかしアリアの筋力上昇も解けてしまう。
落下を利用して2体の頭蓋を破壊。
重い、いつもこんなものを振り回していたのか。と実感する。落下の衝撃は雪に吸収される、膝まで雪に埋まる。
機転を利かせてフックショットを気に打ち込む。空中を移動中に2体。最後は催眠をかけるスケルトンのみだ。
見ればそのスケルトンは既に動き出そうとしていた。既に弓を持っている。今にも弓を放たんとしていた。
アリアは重い体を強引に動かし、チェーンソーをスケルトンの頭蓋に向ける。そのまま突っ込まず、そのまま倒れ込むように己の武器を突き刺す。
一瞬早くスケルトンの弓が放たれた。しかしその矢はチェーンソーの回転に飲み込まれる。
アリアの叫び声と共に目の前の頭蓋は二つに割れた。
終わった。目的のスケルトンを倒した。アリアははっと思い出し、スケルトンの魔石の回収を始めた。
一つずつ回収する。四つ目までは難なく取り出せた。五つ目、最後に倒したスケルトンのスケルトンを触った時だった。
アリアの頭の中に強いイメージや感覚、記憶、が映像となり入り込んでくる。雪の中で彼女は倒れた。
戦闘シーンを書くのに慣れてきたのか30分足らずで書き終わりました。クオリティはまだまだですが…