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Prologue
人の【死】とは、唐突で、残酷だ。
しかしながらそれは、遅かれ早かれ【生】を受けた者には誰にでもやって来る平等なモノ。
思考の問題で、この世に実質的な平等は存在しないが、【死】だけは誰の下にも平等だ。
人は人生の最後に一番残酷で、滑稽な平等の道を通る。
あたかもそれは、彼岸への川のようだ。
しかし、この物語には、確実に【死】が訪れたという前提が必要になる。
そのため、ここでは【死】は定義づけられた、絶対の平等、ということにしておく。
見つからない答にはそれらしい答を適当に当てはめておくしかないのだ。